表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リレー小説 『双子の天使 ~不幸な運転手~』  作者: 総勢17名によるリレー小説
5/7

三人目の天使~マスク行進曲~ 【21】~【25】

【21】暮伊豆さん


「ねえねえヒルダ? あいつ知ってる?」

「知らないわよ! あんな同僚いたかしら?」


双子の天使は混乱しています。

元々はビリー見物をしていただけなのに。


しかし韓流スターとやらは説得を続けている。


「ワタシノナマエハ、ぺ・ペロンジュンデース! ワカイオナゴダイシュキダカラー」

「だから俺は好きじゃない!」


「オーアナタ、ソレハイケマセーン。ワカイオナゴスキジャナイヨクナイ。ナラ、ワカイオトコスキデスカー?」

「えーい! こんな奴呼んだのは誰だー!」


場は混沌としています。

ヨルダとヒルダも手が出せません。

せっかく困った人をたくさんみつけたのに。




【22】山之上 舞花さん


「「だーかーらー! こっちを無視するんじゃなーい!」」


ギャレットと銀龍が怒鳴りつけた。


「おい、そこのブサイク!」

「オー、ヒードイデース。ワタシハハンリュウスター。ブサイクナワケ、アーリマセン」


ビシッと指を突き付けるギャレットに、ぺ・ペロンジュンは両手を広げたオーバーアクション付きで言い返した。


「それにそこの黒髪の女。我とハニーの尊い時間を、請求書などというもので邪魔をしおってからに。覚悟は出来ておるのだろうな」

「ええっと、まっとうな請求なんだけど」


銀龍の怒りの矛先が向いてしまい、双子天使は困惑した。

困惑しながらも、おかしいなと思った。


困った人を助けていたはずなのに、自分たちが困る立場になっているみたいだと思ったから。




【23】マックロウXKさん


「はーっはっはっ! それみたことか!」


空から女性の笑い声が響きます。


「あ、あなたは……」

「ね、姉さん!?」


なんと天界から、ヒルダとヨルダの姉天使『アサダ』が見事なトリプルアクセルをしながら現れました。




【24】古都ノ葉さん


「そう私はアサダ。バチスタ手術を終えて来たの」


金糸銀糸を身にまとい優雅に着地するとトンキョウの街に一陣の風が吹いた。

すると眠っていた葉桜が一斉にざわめきたつ。


彼女は血にまみれたメスを空に向かって投げた。

すると闇に溶けるように消える。


つい、と人差し指で猫を撫でるしぐさをしながら双子達を見、三日月の形に唇をあげた。

それは真実の愛と救いと絶望を知り尽くした顔であった。


「――とりあえず、ね」


アサダは消毒スプレーと手ピカジ×ルを出しマスクを配った。

「はいはいみんな二メートルは間隔を開けて♪」




【25】菁 犬兎さん


アサダの掛け声と同時、マスクを求める人々の列が一直線に繋がった。

勿論その間隔は規則正しく二メートル間隔空いている。


「そうそう!コレが欲しかったんだ!」


「ほらハニー君もちゃんと付けて」


「消毒モシッカリシマショウネー!コレダイジデース!」


「ちょっと早く進んでくれなーい?後ろ詰まってるんだけど~?」


止まる事なく伸びていく長蛇の列、そして人々の苛立ち。

その列は段々と乱れ我慢の限界を迎えたトンキョウの人々の罵声が飛び交った。


「おい、 列を乱すなよ!俺が先だぞ!」


「チガイマースワタシノホウガサキニナランデマース!」


「いつまで待たせるんだ!サッサと寄越せ!」


「キャー消毒してぇ~!今どこも品切れなのぉーう!」


「ちょっと待てお前ら俺の話を聞け!」


気が付けばその場は大混乱!

ヒルダもヨルダもこの後の展開を固唾を飲んで見守った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ