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リレー小説 『双子の天使 ~不幸な運転手~』  作者: 総勢17名によるリレー小説
2/7

月の名は 【6】~【10】

【6】かおりさん


灰色熊は、このままではいけないと運転手さんにニコッと笑い、話しかけました。




【7-1】山之上 舞花さん


「ねえ、そこのあなた。あなたはラッキーだわ」


運転手は灰色熊の言葉に、疑いの目を向けました。


「どういうことだ?」

「言葉の通りよ」


尚更怪訝な顔で運転手は、灰色熊のことを見つめました。




【7-2】つこさん。さん


「ねえあなた、6月の満月の名前を知っている?」


灰色熊はバーカウンターでカクテルグラスをくゆらせながら訊ねます。


「知らないよ、なんていうんだい」


運転手は麻酔銃を愛しげに撫でながら言いました。


「ストロベリームーン……とてもきれいなピンクなの。

あたしのリボンみたいにね」


「そうか……君は今年のストロベリームーンをみたいかい?」


運転手はそっと麻酔銃を構えます。


「ええ、みたいわ。

……あなたと一緒に」




【8】マックロウXKさん


パン!


乾いた音が響き、灰色熊のハニーが地に倒れ伏せます。

素早くひきがねを引いた、運転手は一言。


「みね撃ちだ」


しかし、撃たれたはずの灰色熊のハニーの姿がふっと消え失せます。


「残像よ」


いつの間にか運転手の背後に現れたハニーが、首筋に鋭い爪を突きつけていました。




【9】黒イ卵さん


「……フラワー・ムーンは見たのかい?」


運転手は両手を挙げて尋ねます。


「知っていたのね。ええ、夕べ見たわ。ひとりで。いつもひとり」


灰色熊の爪が、キリキリと音を立て、運転手の喉をやさしく撫でました。


とさり。




【10】秋の桜子さん


黒いアスファルトに倒れた運転手。


それを見下ろす灰色熊、動かぬ姿を優しく見下ろしていた。


そして身をかがめ運転手に聞く


私の事を愛している?


運転手に口づけをすると……六月の満月の魔法が動き出した。


フラワームーン、ヒルダとヨルダはハラヒラ舞う花弁を集める。


倒れた運転手にその花弁を捧げた。



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