第二十節 保健室とお弁当
その保健室は重い雰囲気に包まれていた。
「外壁の復旧は二日で終わったのにキョウ君はまだ目覚めないね……。」
「キョウ、今日もお前の為にハンバーグ弁当を作って来たぞ。そろそろ目覚めろ。」
「不敬、授業はお前を置いて進んでいっているぞ。早く目覚めないか!」
ティナ、ザトラス、アドリレファの三人がキョウを心配する中、一向に彼は目覚めない。
「アドさんそろそろ……。」
「ああ、会議の時間だな。行ってくる。」
騎士が保健室を後にした頃だった。
目覚めると白い天井があった。
「ここは……。」
オレが呟く
「キョウ君っ?!!」
「キョウ。」
するとティナはオレに抱きついてきて、ザトラスはオレにハンバーグ弁当を差し出す。訳がわからない。
「うおっ?!」
何でオレ…………そうだ確かレリクスの群れを討伐して……。抱きついてくるティナが体を揺らしてきて酔いそうになる中、
「キョウ、食べたがっていたハンバーグ弁当だ。私が作った。食べてくれ。」
ザトラスはオレにハンバーグを食べさせようとハンバーグをフォークで差して、差し出してくる。オレがハンバーグが好きだと言ったのを覚えてくれていたらしい。嫁かお前は?!
「お、おうサ、サン、ティナ、揺れて食えないって?!!」
「ああ、ごめんね?!キョウ君が目覚めたのが嬉しくてつい!」
「あとザトラス、オレ自分で食えるからっ!!」
と、言うオレに対してザトラスは不満げに反論する。
「まだあまり動かない方がいい!ほらっ!口を開けろ。」
優しげな声対して強引に口にねじ込まれる。これはあーん、だ。カップルかっ!!オレらは!!?
ここはティナにしてほしかったと文句を言おうとしたオレに衝撃が走る。
「う、うまい!!!!」
今まで食べたどんなハンバーグよりも旨かった!噛んだ瞬間に溢れ出る肉汁の旨み、かかっていたデミグラスソースはしつこくなく調度良い旨さで最高だった。
「ふ、ザトラスは良い嫁になれるよ!ありがとう!!」
「?、誉めてもらえたのは嬉しいが?」
ザトラスはオレが言った意味をよく解らなそうにそう言った。
しばらくザトラスに弁当をあーん、させてもらいながら話していると意外な名前が出てくる。
「さっきまでアドリレファも来てたんだよ?」
ティナがその名前を出してきた。あの冷血漢が来てくれていたとは意外だった。ザトラスは少し不機嫌そうな顔をして、いつものようにメガネを人差し指と中指であげていた。何故ティナが抱きついたのは放置でアドリレファのことに関しては食い付いてくるのだろうか?きっとそこに意味があるようにオレには思えた。この学園の生徒たちは何故かアドリレファを遠巻きにしている事に関係があるのだろうか?それにザトラスのあの言葉、“アドさんだけは止めておけ。きっと後悔する事になる。”とはどうしてなのか?謎が謎を呼んでいた。
それにしても
「保健室がここ(この学園)にもあるなんてな。」
「保健室って珍しいの?」
「いや、オレのねぐらみたいなもんだからなー。」
ベットに横になりながら弁当のウサギさん型リンゴを食べさせてもらっていた。シャクシャクッ言わせながらリンゴを頬張る。唐突に切り出そうとしてみた。
「ザトラスはアドリレファのこと嫌いなのか?」
次のリンゴを差し出そうとしたザトラスの手が止まる。
「何故だ?私はアドさんを尊敬している。」
ザトラスは何事もなかったかのように再びリンゴを差し出す。
「そうか……。」
これ以上は聞けそうになかった。
そうしてオレは回復魔法で回復したらしく元気になり、保健室を少し名残惜しいが後にした。ザトラスとアドリレファの関係はまるで社長と秘書のようだが、ザトラスのオレに見せるアドリレファへの感情が気になりはじめていた。
続くつまりカミングスーン
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