表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

96/105

九十話


「ねぇ、放課後、暇だったりする?」

メッセージがスマホに届いたけど、宛先を見て驚いた。美奈さまだ。


もしかして、デートのお誘い‥‥な訳ないな。

また訓練なのだろう。


いや、訓練は勉強になるけど美奈さまにメリットがないからなんとなく落ち着かないんだよな。


なにか手土産を持ってくるにしても美奈さまの好みはパンケーキが好きだとしかわからな‥‥それだ。


何故気づかなかったんだ。

champ d'amourのパンケーキを持参すれば。




「あら?パンケーキが欲しいの?2時間くらい待ってくれるかしら?」


champ d'amourに着いて、瀬川さんに声をかけると、笑顔で凄い返事が返ってきた。


2時間ってマジなのか?


「あぁっ、、シンヤちゃん。好きなこに意地悪する小学生みたいなことしてるわけじゃないのよ。単純にいつもが特別なのよ。ほら、VIPは最優先なのよ。見て。」


瀬川さんが指差す先には行列が出来ていた。

そうか、俺はいつもの癖で裏口に回っていたけど今日は仕事ではなく私用で来たんだった。


「いや、、瀬川さんすみません。今日は時間がないのでまたあらためます。」


俺は瀬川さんに頭を下げて約束の場所を目指すのだった。




「遅い。」

某お嬢様学校の服を着た美奈さまは仏頂面を浮かべる。いや、別に時間までは決めていなかったのだがchamp d'amourに行った時間は余計だったのかもしれない。


「遅いだけなら、ハシビロコウもできるんだから」

「いや、遅いっていうかハシビロコウ動かねぇじゃん。」


俺が冷静にツッコミを入れると、美奈さまは大きな目を更に大きく見開いた。そして、その形のいい小さな口から言葉を紡ぐ。


「あなた、、ハシビロコウ知ってたの?」

「いや、驚きすぎだろ。俺をバカだとおもってるだろ?」


おかしい、俺ってば頭脳プレイができる、眼鏡とかかけてそうなタイプの筈だ。そして、一度はメガネをクイッとかやってみたい。


「いや、アナタっててっきり脳筋キャラかと思ってたから。」

「あははっ、、、それって坊主のことだよな?だよな。」


そうか、勘違いか。


良かったよかった。


「あれ?自覚症状なしってこと?今も私の胸元を凝視しているのも無自覚なの」

悪戯っぽい笑みで言われて自分がどこを見ていたか気付いた。


「いや、誤解だ。」

いや、誤解でもなんでもないが。


「まっ、、いっか、、入るよ」


いつもならな散々イジられるのだが、彼女はさっさとVRルームに入っていく。

そう。もしかしなくてもただ訓練の為に呼ばれていたのだ。


いや、もちろんそうだとは思っていたが、デートの可能性も0ではないと思っていたのに。


全く関係ないのだけど天気予報の降水確率0%って、ゼロパーセントではなくてレイパーセントと読むらしい。何故かというとゼロってのは全くないという意味で、レイは『わずか』などの意味がある。


天気予報の算出の際、1%の位は四捨五入されてしまい、降水確率0%といっても、実際には0%から5%未満の値だからだ。


くどくど何を説明したかったかと言えば、レイパーセントはゼロじゃないってことだ。


つまり、訓練の後にデートに誘われる確率は0%だ。ちなみに心の中でどっちの読み方をしたのかはご想像にお任せする。



「ちょっと待て、まだ俺、着替えてないぞ」

俺は慌てる。


いや、俺が着替えるだけならこの場でも全然良いのだが美奈さまはどうするんだ?


『振り返ったらだめだからね』なんて言って脱ぎ始める彼女を想像する。きっと振り返るなというのは押すな押すな的なあれだ。


彼女はギャルだし、やっぱり下着はヒョウ柄とか派手なものなのだろうか?


いや、案外、パステルブルーとかでギャップ萌え狙いの可能性も‥‥



「何しているのよ、着替えならVR内で出来るわよ。」


しかし、俺の想像は的外れというか場外乱闘だったらしく、サービスシーンが現実世界に降臨することなんてなかった。




休憩無しで2時間ぶっ通しで訓練して、やっと終わった。美奈さまって見かけによらずストイックだよな。


「お疲れ様。今日は前より動きがよかったじゃん。なになに、自主練とかしてた?」


美奈さまは少しだけご機嫌な様子で笑顔を浮かべる。


「いや、着替えって本当に便利だな。」

質問に噛み合わない返事だと思うだろう?

ちゃんとこの後に説明があるので説明しようとする。


「そっ、、まぁ、良いけどまた明日同じところで待っててね。」


美奈さまは手をフリフリ帰っていった。


いやいやいや、質問に対してあの回答だと、俺ってば完全にコミュ症だと思われたんじゃないか?


違うんだ。

訓練用のVRは現在の格好の場合に現実世界でできる動きがそのまま出来る仕様になっている。


そして、設定で着せ替えると、その着せ替えられた服装のスペックでVR内を動き回れるのだ。

今回は制服をジャージに着替えてリストウェイトを外した。


そうすると腕が軽くなって調子が良くなった。


ただ、そう説明するつもりが。。


いや、、その前に、、やっぱり訓練後デートの確率は0%だったようだ‥‥

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ