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八十二話

「いっくよ〜」

「ドンドン、ドンドン、」

「You win」

などなどゲーム達のお喋りに包まれる。

それはほんの少しだけ俺に幸せと余裕をくれる。


ただ、俺はゲームセンターに行けばなんとかなると思っていて、これからどうするのが正解なのかなんてわからなかった。


経済面を優先的に考えるならメダルゲーム一択だとは思うのだが、仮にも女の子と遊ぶならもっと相応しいものがあるだろうな。


例えば、U F Oキャッチャーとかプリクラとか。

いや、プリクラとか陰キャにはハードルが高過ぎるか。


「ん、あった。ほんま良かったわぁ。」


刹那は頭のてっぺんから足の爪先まで、喜びで満たされたようなエンジェルスマイルを見せる。


その視線の先には

『ゾンビofサバイバー』と書かれたボックスタイプのゲーム機が聳え立っていた。


どうやら、ガンシューティングものらしいが、美少女とゾンビって親和性が高くないと思うのは俺の気のせいだろうか?



また前回のデートと同じで、ゾンビか‥‥

好きなのか‥‥ゾンビ‥‥



刹那の潤んだ瞳がますますキラキラと輝いていたから、呆れた気持ちはおくびにも出さずに


「いいな、俺もガンシューティングがしたい気分だったんだ。」


愛想笑いで同意するしかなかった。



「じゃあ、はじめよっか?」

刹那は手慣れた雰囲気で、百円玉を4枚入れてスタートボタンを押す。


あっ、1プレイ二百円×2人分か?

た、高いな。

そして、俺の分まで入れてくれたらしい。

もちろん、ちゃんと後で返すつもりだ。


むむっ、高いが元を取るためにもすぐにゲームオーバーになるわけにはいかないな。


俺は仕事並みに気持ちを引き締めて『ゾンビofサバイバー』に挑む。。。





‥‥つもりだったが、、勝手が違った。


何故だか刹那は右手に銃、左手にも銃を手にしている。



え〜〜〜っ、1人で2人プレイをやっちゃうのか?



いやいやいや、刹那はお嬢様だからゲーセンの作法が分からなかったのかもしれない。


いや、俺も動揺しているな。

ゲーセンの作法ってなんだよ。


まぁ、とにかく教えてあげないと。


女の子に何が教えてあげるのなんて凛花以来で、なんだか照れ臭いが、二丁持ちなんて一瞬でゲームオーバーになってしまうもんな。


しかし、俺の決意なんて生ゴミ並みに不要なものだったらしい。


いつの間にかゲームが始まり、右手に銃、左手にも銃を持った刹那が華麗に舞った。


フワリと揺れるスカートも気になる所だが、1番気になったのは彼女の腕前だ。


2丁拳銃にもかかわらず、正確無比かつ、閃光のような射撃は見惚れるのに十分なものだった。



第一ステージはノーミスで全てヘッドショット。

第二ステージもノーミスで同じくヘッドショットだった。


いやいやいや、その前に2プレイを1人でプレイするとか、ほんと頭おかしい。


その間にも彼女の正確無比な射撃は続いているが、不思議なのはその立ち振る舞いだ。


本当に演舞のように華麗に舞う姿は、とてもゾンビを一方的に虐殺している殺戮マシーンにはとても見えない。



結局、刹那は俺が見惚れている間に最終ステージのボスを倒してノーミスでクリアした。


ドヤッという効果音が聞こえてきそうな表情で振り返った刹那はなんだか年齢より幼く見えて可愛らしかったが、どこからツッこめばいいのやら。


「はぁ〜っ、楽しかったわぁ。」

「あの、刹那?」


俺は軽快にツッコミを入れようとした。


「ん、どうしたん?」

しかし、刹那にまるで純真無垢な少女のような瞳を向けられて俺の決意が揺らぐ。


「ん?あれ?ウチなんか変な事したん?」


「いや、あれ?これ、言ってあげないと本人の為にならないのか‥‥なぁ、、刹那、なんで、2人同時プレイを1人でやっちゃうんだ?1P、2Pって書いてあるだろ?」


「えっ?Pってなんか意味あったんやぁ。」

「当たり前だろ?P?わからないのか?」


「うーん?P?ポリス?やないんよねぇ。P???

あっ、PSSなん?PSSを2丁使うってことやないの?」


あれ?確かによく見てみると、あの銃はPSSだ。

しかし、、、、


「いやいやいや、PSSなんて、そんなメジャーな短銃じゃないだろ?なんでKBG御用達の銃なんて知ってるんだよ?」


何かゲームとか漫画で出てきたんだろうか?

そういう銃ってメジャーになるよな。

ワルサーP38とかS &W M19 コンバット・マグナムとかな。


「ほら、ウチ、スパイとか好きやん。」


しかし、刹那は単なるスパイマニアなだけだったらしい。しっかし、CIAやMI6じゃなくて KGBを選ぶあたり、相当な拘りを感じるな。


「これ2人用、2プレイヤーのPだからな。まぁ、良いけど、今度は一緒にやろうか?」


俺の言葉に破顔した彼女に安心したのだが。

結局、昼過ぎまでゲーセンに入り浸り、昼メシさえ食べられずそのまま解散となった。


ちなみに対戦ものは俺の全敗だった。


これが刹那と楽しい楽しい2回目のデート??

みたいな。。。

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