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四十八話


休み時間が始まると同時に委員長は立ち上がり、俺の方に向かってきた。


俺は一瞬身体をこわばらせる。

情けない話だが、怒られると思ったのだ。


しかし、口を開いた委員長の発言は俺の予想とは随分と違っていた。


「本当にごめんなさい。私は橋本くんに怒ったりしていないからね。」


委員長はビジネスマナー講座でもなかなか見ない、きっちり斜め四十五度のお辞儀をしたのだが、俺は意味がわからなかった。


「いや、委員長の気持ちは嬉しいけど、、、謝るのはこっちの方だ。ごめんな。」


ほんと無神経な自分が嫌になる。


「あはっ、、やっぱりそうなんですよね?面白みが無いし、気が利かないですもんね。」


どうせ、女の子に気の利いた事なんで言えない。というか、男相手でも気の利いた事なんて言えないからな‥‥委員長の言い分はごもっともなのだが。


面と向かって言われると、豆腐メンタルの俺は泣きたくなってしまう。


しかし、そこで美咲様が俺たちの間に乱入する。そして、委員長を抱きしめた。


委員長の顔が美咲様の胸に埋もれてしまい、羨ましい限りだ。



あれ?

これって?

2人ってもしかして、デキてる?



なんとなく、百合百合しい香りがして、俺は思わず見惚れてしまう。



「お、おめでとう。」

思わずそう口にした俺を待っていたのは頰に激しい衝撃。全く予想だにしない衝撃に俺の意識は暗転した。




放課後の教室


女の子が2人向かい合って座っていた。



「美咲、もう、そんなに心配そうな顔しなくて良いからね。」


三つ編みメガネの女の子である委員長が目を腫らしながらも、口を三日月の形に開く。


どう見ても作り笑いのその表情は向かい合う美少女、美咲の胸を益々締め付けることとなった。



「あっ、えっ、、、と。元気‥出して。橋本くん‥だけ‥が‥男の‥子じゃ‥ないよ。」


辿々しくも、一生懸命な口調が女の子のひたむきな性格を表していた。


「ありがとうね。私は良い友達を持ったよ。あれ?友達‥で良いんだよね?」


三つ編みメガネの委員長が、不安を表すかのように瞳を揺らす。



「当たり前、友達だよ。あっ、少し元気になったね。」


しかし、 委員長の不安は杞憂だったようで、美咲はあっさり首肯する。



「あははっ、ありがとうね。やっぱり美咲はアイドルだし、仲良くしてくれてても、やっぱり友達だと思ってくれててないと思ってた。」


「そんな訳ないよ。だって、私‥委員長しか友達居ないし。」


そう言って頰をほんのり赤く染める美咲は恋する乙女のようでとても可愛らしかった。



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