四十四話
「今日で4日目だったのに‥ストーカー、どこいった?有給休暇使ってワイハでも行ってんのか?」
放課後、凛花を家に送り届けた後、家でモンモンとしていた。
なぜだかさっぱりわからないが、ストーカーが一回も出てこないのだ。まさか、あんなに気をつけていて、ストーカーの気配に全く気づかないということもないだろう。
いや、単に朝夕の送り迎えだけではダメかもなだけかもしれないな。
まぁ、後は凛花の家の前で張り込みするくらいしか手がないんだけど。
そ、そうだな。
良い案?なのかはどうかわからないが、一旦相談してみる価値はあるのかもしれない。
さっそく、変装用のマスクとサングラス、ニット帽を着けて凛花の家に向かう。
そして、少し離れた位置の電柱に隠れて凛花の家を見張っていた。
1人での張り込みは孤独との戦いだ。
俺は素数を数える趣味はないし、羊なんて数えたら寝てしまう。
いや、待てよ。
こんな所だが、自分の時間が出来たと前向きに捉えてみてはどうだろう?
今ならやりたい事がやり放題だ。
‥‥あれ?
俺がやりたい事ってなんなんだろう?
頑張って仕事をして、弥生や母親に楽をさせてあげる事か?
それって自分がやりたい事だけど、自分の為なの?
自分がしたい事?
彼女が欲しいとか。
でもそれで彼女にお金がかかるとどうだろう。
もしかして、、、俺って本当に自分がやりたい事ってのがないのだろうか?
‥‥マジか?
まぁ、考えても結論の出ないものは後回しだ。
発想の転換をするんだ。
やりたいことじゃなくて、やらないといけない事ならたくさんあるだろう。
そうだ、筋トレだ。
怪我のせいで筋力がゲキ落ちなんだよな。
このまま仕事に復帰したら間違いなくファイブスターから陥落してしまうだろう。
そして、稼げる金が減ってしまう。
それだけは避けないといけない。
よしっ、まずはヒンズースクワットからだ。
しかし、1時間経っても2時間経っても、3時間経ってもストーカーのスの字も現れなかった。
もう、家に帰って寝る頃だ。
弥生も心配しているだろう。
それに、帰って寝たら夜なんてすぐに終わってしまうもんな。
俺が諦めかけた頃、背後から見慣れない男に声をかけられた。
「おいっ、君、何をしているんだ?この辺りでヒンズースクワットしている不審者が居ると付近の住民から通報が入ってきたんだが」
呆れたような声をかけてきたのは警察官だ。
「どこが不審者なんだ?俺はストーカー「貴様、ストーカーなのか?ちょっと署まで来てもらおうか。」
まだまだ、夜は終わらないようだ‥‥




