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四十三話


マズイね。まさか気付かれるなんて。



彼は鈍感な所もあるし、意外とバレない気がしていたのに、、、もしかして、あの女狐が密告したのかしら?


それになぜ?


なぜ真実を知っても私、、凛花を責めるどころか、慰めてくれるのだろう?


「優しすぎる。」




出会った頃も彼は凛花には優しかった。


あの時、凛花はイジメられてたみたい。

まぁ、私もあの頃は他人どころか家族にすら興味がなかったから、女の子がどんなに残虐な生き物かなんてまるでわかっていなかったんだよね。



「◯◯◯、臭いよ。」

クラスでも中心人物の矢嶋という女の子が自分の鼻をつまんでいる。


凛花ってばそんなに臭かった?


凛花は自身をクンクン臭ってみたりしたけど、臭ったりなんかしていない。少なくとも私には気付かない。


「勘違い‥じゃ‥」

「そんなことないよ。いじめられっ子の臭いがするもの。あんたがいるとみんな暗くなるしね」


クラスでも三本の指に入る普段は可愛い女の子が、ひどく醜悪な笑みを浮かべる。



その笑顔は凛花を絶望させるには十分だった。



凛花は逃げ出す勇気さえなく、真冬に裸で放り出されたように震えることしか出来なかった。



教室の中の出来事のはずなのに、凛花だけ別空間にいるみたいにクラスメイトはだれも助けはしない。


まぁ、人間なんて自分が一番かわいいのは当たり前なのかもしれないね。最近つくづくそう感じる。


凛花はいつも通り心を凍らせて猛吹雪が過ぎさるのを待つしかない‥‥‥ハズだった。


「あっ、そこの3人、ちょっといいかな?」


しかし、そう言って男の子が近寄ってきた。

クラスでもごくごく目立たない普通の男の子だった。ただ、彼の好きな女の子は知っている。


だって、クラス一可愛いゆるふわな女の子が好きなのが見え見えだったもの。



そんな男の子が3人に何か用があるのだろうか?

凛花を助けにきてくれた訳がないのは凛花を一瞥すらしない態度で明らかだ。


それで、凛花はいつも以上に惨めな気分になる。

そう、『助けに来てくれた。』なんて一瞬でも思うんじゃなかった。



しかし、彼が3人組と少しの間言葉を交わすと、その後、表立って嫌がらせがなくなった。


なぜか凛花はイジメから解放されてしまった。

まるでイリュージョンみたい。

凛花はは男の子の起こした奇跡に感謝せずには居られなかった。


それにしても‥‥なぜ?

疑問に思って凛花は男の子に聞いてみた。



「あぁっ、それは企業秘密だから誰にも教えられない。墓まで持っていくさ。」


なんて答えた彼は照れ臭そうに鼻の頭をかく。



「あの??ありがと。私の事好きなの?」

凛花の鼓動がトクンと跳ねる。


「いゃっ、別に」

しかし、凛花の期待とは裏腹に男の子は不愛想な返事をして、去って行った。



それから、凛花は自然と彼のことを目で追うようになっていった。


そして、いつの間にか凛花の心の中は彼への気持ちで満たされてしまった。いいえ、彼への気持ちが溢れ出して止まらなくなっていった。



そして、凛花は‥‥


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