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二十六話

実は四天王最後の1人です。


みんなが教室へ戻っても俺はまだ屋上に居た。


なぜなら、人の気配がするからだ。


きっと屋上塔の屋根にアイツが居るんだろう。



「おいっ、眞姫那。」

俺は屋上のヌシこと、眞姫那に話しかけた。


しかし、数十秒経っても誰かが沈黙を破ることはなかった。あれ?き、の、せ、い?


「帰るか?」


「ん?その声はハッシー?」

俺が諦めて、屋上塔の扉に手をかけたところで、眞姫那から声がかかった。



「居たのかよ。眞姫那は相変わらず暇人だな。」

昼休みに屋上に行くと、高確率で屋上塔の上に居るのだからビックリだ。



「ハッシーが女の子達とランチなんて、、、、いつの間にリア充になりはったんかなぁ?ウチとのことは遊びやったんかなぁ?」

眞姫那はニタニタ笑いながらいっているのが想像がつく口調で、俺はウンザリする。



「俺が眞姫那を散々弄んだような言い方を止めろ。地に落ちてる俺の評判がさらに地獄まで堕ちるだろうが」


そう。二股疑惑がかかっているのだ。

二股どころか彼女が出来たことないってのに。



「あははっ、相変わらずバカやなぁ。でも、そこがハッシーのいい所やんねぇ」


「それ、褒めてないよな。」

「あれっ?気付いてはったん?いつのまにかハッシーが進化してはる?」


眞姫那が驚いたフリをしているが、これは完全にバカにされている。



「おいっ、俺がそんなのに騙されるバカだと思ったのか?」


「あはっ、、あれ?違ったんかなぁ?」


相変わらず眞姫那は悪びれた様子はない‥が、こいつが言うと嫌味でもないんだよな。



「ひでぇ。ところで、眞姫那はちゃんと授業にでてんのか?」


「当たり前やん。実は教室に居辛いんやけどね‥‥って乙女の秘密を暴こうとするなんて、エッチやわぁ。もしかしてウチのこと狙ってるん?」


乙女の秘密云々は置いておいて、あまり触れてはいけないデリケートな事だったのか?



「いやいやいや、狙うも何も俺ってば眞姫那の顔も見たことないし。」

「ウソつき。」


そう、眞姫那とはたまに喋るけど、あくまでも屋上で顔も合わせず喋っているのだ。


だから、廊下ですれ違っても彼女だと気づく事が出来ない。しかし、眞姫那は頑なに顔を見せようとしないのだ。


まぁ、よっぽど容姿に自信がないんだろうが、それはお互いさまだし、気にする必要はないと思うんだけどな。



「いや、ウソじゃねぇって。」

本当に彼女の顔は知らない。


「違うんよぉっ。『俺は相手の容姿で態度を変えたりなんかしないぜっ‥キランッ』って言ってたやん?」


屋上で彼女と話して数日のこと、

『私の顔見たら、ハッシーも態度変えはるんやろ?』なんて言うから。


『いや、別にそんなんで態度変えんの面倒くさいし』って答えただけだ。


随分脚色されている。



「キランッ、、とか言ってないけど。まぁ、別に狙ってないけど、俺たちめちゃくちゃ気が合うだろ?ダチならそれでじゅうぶん。」


というか日常会話で『キランッ』なんて言う奴が居たら見てみたい。



「そやなぁ。そんなん言ってくれはるのんハッシーだけやよ。お礼に添い寝くらいはしてあげてもええよぉ」

眞姫那の声が弾んでいる。

こんなに喜んでるってことは、ヤッパリ見た目は相当ヤバイくて友達もいないのだろうか?



「なんで、添い寝なんだ、よ。」

お礼どころか罰ゲームじゃねぇか?


「もちろん、触れたら即110番やよ。あっ、ちなみにウチ、寝る時は全裸派やなんよぉ」


眞姫那はいきなりヤバイ情報をぶち込んできた。顔もわからないのに思春期の桃色脳細胞が眞姫那の全裸を想像する。



しかし、、、イボガエルみたいな女の子がお腹の肉をブルブル震わせてる姿しか浮かばない。



おぇ〜〜‥‥

なんて想像させるんだ?



「どわぁ〜っ、想像させんなよ。」



「フフフッ、童貞臭いリアクションやんねぇ」

眞姫那は余裕の笑みを浮かべているであろう口調で俺をからかう。


「待て待て、その言い方って‥‥お前、、まさか、、、経験豊富なのか?」

そう、今まで話した感じだとあまりエロな知識は無さそうに感じていたが、もしかして演技だったのか?


「その、『裏切られた』みたいなリアクションがどうてい臭いんよ。」


図星過ぎて反論できない‥‥



「じゃあ、経験豊富な眞姫那様に聞きたいんだが、どうやったら異性とそんな関係になれるんだ?」

そう、俺だって彼女が欲しい。

しかし、どうすればいいのかわからない。


美咲さまとか俺と一見仲よさそうに見えるが、ハッキリ言って何考えてるか意味不明だしな。



「それは‥え〜と、、あれなんよ。ほら、、好き同士、、、なら、、自然に、、、、ねっ?」


しかし、そこで俺の期待は裏切られた。

こいつ、肝心なところを知らないようなリアクションだ。



「眞姫那?女の子とエッチなことする場合って普通キスからだっけ?その後どうやっていけばいいの?」


うん、俺は真剣に聞いたけど、よく考えたら完全にセクハラ発言だな。


「き、き、キスしてそのまま服をぬ‥‥あれ?キスしながらだと服が脱げないんちゃう?あれ?」


ちなみに今話しているのはTシャツとかキャミソールなど、どうしても首から服をぬかないと脱げないタイプの服や下着類の話だ。



「いや、それは間違いだ。キスで繋がっているところを通せば服が脱げるだろう?」


俺がドヤ顔で言う。しかし、お互いに顔は見えていないんだった。



「あっ、ホントだ。ハッシー天才。そっかぁ?世の中の彼氏彼女はそうやって服を脱いでるん‥そうそう、私、いつもそうしてたんよ。」


もう、取り繕うのにも無理があるのだが、それでも眞姫那はまだ経験者だと言い張っている。


しかし‥‥俺は自分の意見の破綻に早くも気づいてしまった。


そう。キスしながらそこを通して服を脱ぐと、その服は相手が着る羽目になってしまう。


こんな簡単なことがお互いにわからないということは‥‥やっぱり、コイツ‥‥



「おいっ、ちょっと待て。やたら上から目線だから騙されたけど、、お前、経験ないだろ?」


俺は今まで上から目線で言われた鬱憤を一気にぶつけた。いわゆる倍返しだ。


「‥‥えっ?ごめん、聞こえへんわぁ」

眞姫那はウソくさい演技をしていたが、声が既に半泣きだった。意外とメンタル弱いやつ。



「いや、悪かった。言いたくないならいいぞ。

ところで、昨日の夜、、何食べた?」

紳士な俺は話題を変えようとしたが、


「も〜っ、なんで話のそらし方、そんなに下手なん?」

なぜだかダメ出しをくらってしまった。



「うっさい。だいぶん気をつかったのに。」


「いや、やっぱり童貞やから下手なんやなぁ。そんなんじゃ、女の子に嫌われるんよ」


童貞だから、エッチが下手だと暗に言っているような口ぶりだ。


「おいっ、、ワザとか?ワザとなんだよな?」


「あはっ相変わらず、からかいがいあるわぁ」

見えないがきっと眞姫那はすご〜く悪そうな顔をしているのだろう?



「くっ、完全にオモチャ扱いなのか?ちゃんと人間扱いしてくれよ」

「へぇ〜っ、ハッシーって人間なんやぁ?知り合って2ヶ月になるけど初めて知ったわぁ」


絶対にウソだ‥‥


「おい、俺をなんだと思ってたんだよ?」」

「え〜っ、ペット?なんちゃう?」


声がこの上なく弾んでた。


「俺がいくら普段温厚だからって、そこまで言われたらさすがに怒るぞ」

「イヤーん、こわぁい。眞姫那泣いちゃう〜」

眞姫那は明らかに泣き真似だ。


俺はその態度に怒りよりも呆れが強くなった。


「いや、眞姫那。お前友達少ないだろ?」


俺は半眼で眞姫那が居るだろう場所に目を向けるが、こういう性格のおかしいところも含めて俺は彼女が嫌いではなかった。



「えっ?なに?なんで知ってるん?いつも見てるの?ストーカー?‥‥そんなんだからモテはらへんのちゃう? 」


いや、ストーカーじゃないが、モテないってところは否定出来ない。これは取り敢えずスルーして嵐が去るのを待つしかない。


カッコイイ言い方したら、『動かざること山の如し』だな。



「あれ?そう言えば二股疑惑があるんやったからやっぱりモテるん?」

しかし、俺はどうやら使い時を誤ったらしい。

完全にイヤな方向に話が進んでいく。



「誤解だ。俺がモテる訳ないだろ?ビンボーだし。冴えないし。」


大体、女の子と付き合ったことすらないのに二股疑惑とかそんなヤツ、変態にしか思えない。


「そーなんかなぁ?ウチ、本当はハッシーって結構いいいオトコなんやと思うんよねぇ」


「ほ、ほ、ほんとか?」

予想外の展開に思わず吃ってしまった。

しかし、実はかなり嬉しかった。



もしかし、眞姫那って俺のこと‥‥



「いややわぁ、今の笑うとこやのに。」

‥‥ギャグだったのか?

わ、笑えないんだが。



「いや、俺は眞姫那のことはまぁまぁ気に入ってるのに、完全に片想いか‥‥」

「そぅ?実は私も点数にすれば3点つけるくらいにはハッシーのこと気に入ってるんよ。」


仮に10点満点でも結構低いと思う。

もし、100点満点だったら‥‥



泣いてなんていないんだからね、これは汗、そう汗なんだからね。



なんて動揺するくらいには落ち込みながらその場を後にした。

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