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「そろそろお昼にしませんか?」

今日はペンギンさんたちとデートしたことにして、早く帰ろうぞ。つまり、もうデート終了!と思っていると原田君が言った。

「そろそろお昼にしませんか?」

「ああ、はい。」

まあ、ゴハンくらいはご一緒するか。また味がわからないかもだけど。

「食べたいものはありますか?」

「いえ、特には。」

きっと何を食べても同じでしょうよ。味がわからないんだったら。

そしてご案内されたのは和食の落ち着いたお店。メニューに目を通してみる。刺身定食、天ぷら定食、焼き魚定食、本当に煮魚定食、そして日替わり定食。いずれも味噌汁、サラダ、茶碗蒸し、デザート、ドリンク付き。ライスおかわり無料。なかなか魅力的なラインナップだけど、味がわからないなら何を頼んでも同じよね。

「決まりましたか?」

「じゃあ、お刺身で。」

「僕も同じのにします。ドリンクは何にしますか?」

「じゃあアイスティーで。」

言うが早いか、原田君は刺身定食をアイスティー付きで二人前オーダーする。

「お刺身、好きですか?」

「ええ、まあ。お刺身、お好きですか?」

オーダーしてから原田君が言うので、私も一応聞いてみることにした。何を食べても同じだっつーの。

「好き嫌いがないので、同じものを食べてみようと思いまして。」

「あ。そうなんですか。」

前回よりは少しだけ口数が増えたようだけど、ここでまた沈黙。ガマン大会じゃないんだから。と言っても私も何を話したら良いのかわからないんだけどさ。

「このあと、どうしますか?」

困ったな。「どこでもいいです。」なんて言ったらホテルに連れ込まれるなんてことはないだろうけど。

本当は帰りたいんですけど~。


「お待たせいたしました。」

返事に困っていると、刺身定食が運ばれてきたので、とりあえず食べ始めることにした。

「いただきます。」

手を軽く合わせて箸を手にする。キレイなお刺身だな。おいしそう。貝柱とマグロと、白身は鯛かしら。貝柱からいってみよう。醤油をちょちょいと付けてパクリ。うん。美味しい。

「美味しそうに食べますね。」

顔を上げると原田くんがニッコリしている。

「美味しいです。ここはよく来るんですか?」

「たまに来るんです。和食の気分のときはここがお気に入りなんです。」

あ。長い文章しゃべった。珍しい。そういえば、この前よりは表情があるわね。エリの彼の言った通り、本当に緊張していたのかも。

この店、いいなあ。お刺身もおいしいけど、付け合わせの煮物もおいしい。サラダもドレッシングが控えめな味で、ドバドバじゃないし。ご飯もほどよい硬さ。何より、お米が美味しい。

そんなこんなで、前回と違って美味しく味わってお腹いっぱい。

お腹いっぱいになったところでアイスティーと一緒にデザートのアイスが運ばれてきた。

「どっちがいいですか?」

見ると色違いのアイスが二皿。抹茶とストロベリーみたいね。

「私はどっちでも。原田君は?」

「僕もどっちでも。半分こしようか?」

そう言うと原田くんはスプーンで半分ずつ分けてそれぞれのお皿に移し替えて少し多いほうを私の前に置いた。なかなかデキるな。この人。

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