安売りしちゃダメよ。
あれ以来、妹さんの用事で車を出すことはなくなった。というよりも、てっ君が用事があるからと言うようになって、会えない週末が度々あるようになった。
やっぱり妹さんのこと、ひっかかっているのかな。でも、仕方ないと言って当然のようにアテにされるのは、この先が思いやられるわ。よくあるじゃない?小姑って。嫁姑問題も厄介だけど、小姑のモンダイもよく耳にするわけで。
「お父様がもういらっしゃらないワケでしょ?まず、結婚となったら、お母様はくっついてくるわね。その調子だと妹さんもセットになるわよ。同居の可能性大ね。」
会えない週末。行き付けの美容院でのこと。第三者で、社会人の人の意見を聞きたかったから話してみたところ、そう言われた。
「妹さんは悪い子じゃないんですけどね。」
「そうは言っても、何かあったときに彼氏さん、楓花ちゃんの味方になってくれるか疑問だなあ。」
担当の美容師さんのアキさんは手際よくパーマ液を付けながら言う。20代後半のアキさんは独身だけど、周りの人が結婚している人が多いから、色々と知っているみたい。それに物言いがはっきりして、サバサバしている人だから話しやすい。
「失礼だけど、彼氏さん、シスコンね。」
「やっぱり…。」
シスコン。もしかしてと思っていた単語が耳に入ってきたとき、ストンと肚に落ちた気がした。やっぱり社会人の意見を聞いてみるべきね。マザコンもイヤだけど、シスコンかあ。考え物だわ。
「ねえ、楓花ちゃん。自分を安売りしちゃダメよ。まだまだ選り好みしなさい?まだ学生さんなんだし。今のうちだけだから!」
「そうかなあ…。」
「そうよ。楓花ちゃんみたいな可愛い娘が安売りなんてするものじゃないわよ!うんとかわいくしてあげるから、他のオトコ探しな!」
「そうかなあ。」
「あ。また。自信のないカオしてる。もっと自信を持ちなさいよ。シスコンじゃない、優しいオトコを見つけられるわよ。私なら、バッサリ斬るわよ。たとえ結婚が遅めになってもね。」
ここまでスパっと言えるアキさんはキラキラしている。私もこんな風にキラキラしてみたいな。




