「次は?」
「え?」
次ってどういうこと?来年のお誕生日のこと?クリスマスのこと?
ポカンとしているとてっ君が私を膝に乗せて言った。
「次は、ダイヤモンド。」
「ダイヤモンド?」
「これは、ダイヤモンドを贈るっていう約束。」
ピンクサファイアの着いた左手を優しく握る。ダイヤモンドって、もしかして…。
「楓花、結婚しよう。」
け、結婚?結婚って結婚?
「まだ考えられない?」
びっくりして言葉が出ない私に、てっ君が言う。
「そうね。想像がつかないの。それに、恋愛と結婚は別っていつも言ってるじゃない?」
「今はそんなこと思っていないよ。そんな器用なことはできないと気づいたんだ。楓花に出会ってから。それとも、俺とじゃ、イヤ?」
「そうじゃない。想像がつかないだけ。」
てっ君が抱きしめる。
「じゃあ…。」
「…はい。」
「よかった。先週、ちゃんと言えなかったから。」
「でも、私まだ学生よ?就職活動目前よ?」
「言うと思った。だから今日はダイヤモンド以外の宝石にしたんだよ。就職の自由を奪いたくなかったから。本当は、卒業を待って結婚したいけどね。」
てっ君がイタズラっぽく微笑ってまた抱きしめた。てっ君の首に私も腕を巻きつける。
なんていうんだろう。それまでの“好き”みたいにキャピキャピでキラキラした気持ちではないから、“よくわからない”としか表現できないんだけど、この胸が、頬がずっと私の場所だといいな、と思うようになっている。
この人となら、穏やかな気持ちで過ごせそう。近頃の私は、こういう恋もあるんだなって思うようになっている。
それに、就職活動への期待がふくらんでいる今だからこそ、就職を反対されなかったことに感謝だわ。この男性となら、歩んでいけそうな気がする。




