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決まりごと。

「決まった?」

「どれにしようかなあ?てっ君は決まった?」

「まあね。楓花はどれを迷っているの?」

アイスクリーム屋さんでのいつもの会話。お茶を飲みにカフェに入ることもあるけど、私たちの昼下がりはこうしてアイスクリーム屋さんに寄ることが多い。そしていつも私がなかなか決められないの。

「一個はロッキーロードに決定なんだけど、もう一個を、今日はラズベリーのソルベにしようか、ほうじ茶ラテにしようか迷っているの。」

「じゃあ、俺が一個をほうじ茶ラテにするから、ラズベリーにしなよ。半分こしよう。」

最初の頃にアイスを半分こしたせいか、いつも全部の種類を半分こするのが決まりごとのようになっている。いつもダブルを二人でオーダーしている。

実は、てっ君がこう言ってくれるのをちょっと期待して迷っているアピールをしている私。

「どう?おいしい?」

「おいしい。」

半分くらい食べたところでお互いのカップを交換する。

私はダブルをオーダーするときは、一個はたいていロッキーロード。そしてもう一個をいつも悩むの。そして、てっ君はいつも一個は抹茶でもう一個は私の迷っているフレーバー。好き嫌いがないので、却って決められないらしい。

半分こをして食べるのがなんだか楽しい。スプーンを差し出して「あ~ん」とかやってるワケじゃないから、そんな、イチャついてるってほどじゃないわよね。



「ねえ、入っていい?」

「は、入りたいなら、いいわよ。」

ホテル街で、決まりごとのようになっているやりとり。

本当は、どうぞって言ってもいいんだけど、あんまりウェルカムな態度をすることに抵抗があるので、私はいつもこう返事をしている。だって、エッチ大好きな淫乱女みたいで恥ずかしいじゃない?

「入りたいなら、そう言えばいいのに。」

てっ君はわかっていてニヤニヤしている。少なくとも彼はエッチが好きなのは間違いないわね。しかし、女の子の側がエッチ好き!とか公言するのってイヤだもの。あ、誤解のないように言っておくけど、私はエッチが好きってワケじゃないわよ!まだ、その、エッチな声を出したりしてないし!肌の触れ合いが心地よいけどっ。

私はまだ、よくわからないまま、ただ、抱きしめてキスをするだけで体を委ねているだけなの。大事に抱きしめてもらえることが嬉しいだけなの。

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