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ハジメテ。

「入っても、いい?」

ドライブしているうちにあるホテルの前まで来て、原田君が聞いた。私は無言でうなずいた。

先日の押し倒しから数週間。原田君はあれ以上のことはしないようにしてくれていた。そして今日、とうとう。本当はまだ怖いけど、大事に抱きしめてくれる原田君なら、と思ったから私は頷いた。


「先にシャワー浴びておいで。」

薄暗い部屋に入ると抱きしめられ、キスを交わした。そして言われるままにシャワーを浴びてから備え付けのガウンを着ていると、原田君が来た。

「ガウンの中は何も着なくていいんだよ?」

下着だけは着けておいたほうがと思い、ショーツとブラを着けようとしていた私に苦笑いする。だって何も知らないんだもの。

そして原田君のシャワーの音を聞きながら、着けようとしていた下着を脱衣カゴに戻して、ガウンを着た。

とりあえず、ベッドに座る。いよいよ、ハジメテを体験するときが来た。レディースコミックみたいなエッチな声を出さないといけないのかしら?

「おいで。」

悶々と考えていると、ガウン姿の原田君が隣に座って肩を抱き寄せ、唇を重ねる。そのまま横にされ、ガウンをはがされた。全身に手と唇の感触が走る。裸を見られることも、こうして触れられることも恥ずかしいけど、肌がふれあう感触に心地よさを感じる。どうしたら良いのかわからないまま、何度も原田君の素肌を抱きしめた。恥ずかしいけど、離れたくなかったから。キスを繰り返し、何度も抱き合って…。そして体の中心にものすごい痛みを感じた。これがあのウワサに聞いていた痛みなのね。息の荒い原田君と見つめあったまま、痛みに耐えているうちに気が遠くなった。気が付くと抱き締められていた。体の奥が痛い。本当に、しちゃったんだ。

「シャワー浴びようよ。」

ヒョイとお姫様抱っこで抱き上げられ、バスルームへ。さすがに裸をは恥ずかしくて背中を向けて身体を洗おうとしたら、シャワーが降り注ぐ中で後ろから抱き締められた。耳に唇を感じる。

「楓花…。俺の、楓花。」

胸の前にある原田君の腕に触れてみると、すうっと意識が遠のくのを感じた。

「大丈夫?少し横になろうか。」

体を洗うのもそこそこにバスタオルにくるまれてお姫様抱っこでバスルームを出ると、優しくベッドに下ろされた。促されて腕枕に頭を乗せると、そのまま胸に顔を埋めた。

ヴァージンとサヨナラしたんだな、私。

そんなことを思いながらウトウトと胸のぬくもりに甘えていた。

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