ヒーロー、魔法使いを助ける
とりあえずストライクスーツの確認が終わった。
手持ちのバッグルは重武装型のパンツァー
ガンマンスタイルのバレット
近距離格闘型のボックス
これらの確認はまた後でしよう。
あとはマシンのキーにスマホ、それに水が少々・・・
食料が無いのは痛い。
「街、とまではいかないが人を探すしかないな。」
幸い近くに道らしきものがあるのが見える。
道があるなら人がいる証拠だ。
しかも馬車を引いた痕跡がある!
その痕跡を追うことに専念した。
歩けど歩けど道と森…自身無くなってきたぞチキショー・・・
鳴り止まない腹の虫。
おおマイマスト…耐えてくれ…そこのやたら毒々しい色したキノコとか食ったら即御陀仏な気しかしないんだ・・・
そんな時、腹の底に響くような唸り声が森の奥から聞こえた!
同時に女性の叫び声も!!
「人!助かる!いやその前に助けなきゃ俺も空腹と疲労で死ぬ!!変身!!」
変身したことで何倍にも強化された肉体は悲鳴のする方へ即座に駆け付けた!
見えたものは巨大な牛の頭に筋骨隆々な肉体、拳だけで大人の人間大程の大きさであろう巨大な怪人だった。
その怪人に襲われてる女の子の前に俺は飛び出して庇った。
スーツ越しでも伝わる重く鈍い痛み…膝を付きそうになるのを必死で堪えた
「そこの君!!早く逃げろ!!」
自分が来た方向を指さしたが女の子は腰が抜けたようで怯えて動けずにいる
「あ、ああ・・・」
彼女の後には仲間と思われる鎧の男と軽装な女性が転がっていた・・・
「くっ、こいつがやったのか!」
【ブモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!】
鼓膜が破れそうなほどの咆哮が俺を襲う
「コード入力!乱打式γ!」
《乱打式γ:アクセプト発動します。》
システム音が入り12発の重い打撃が急所を確実に攻めていく!
《乱打式γ:完了サポートを解除します》
重い音を立てて倒れる牛の怪人の前に立ち尽くす俺が女の子の方へ振り替えると、女の子は怯えまじりで茫然と俺を見ていた。
プシューーー・・・
スーツの冷却機能が発動し肩や背中から煙が出てきた。
「しばらく無理は出来ないな・・・君、大丈夫か!」
兎にも角にもコミュニケーションを取ろうと手を差し伸べたその時、
女の子は突然奇妙な言葉を走らせその次の瞬間、サッカーボールくらいの水の玉が俺に放たれた。
そこで俺の意識は一旦途絶えることになる・・・