異端の転入生
私の名前は白鷺 葵この世界に召喚された勇者の1人だ
他に3人が召喚されている
放課後教室で掃除をしている時に突如光に包まれたのだ
目を開くと偉そうな老人が玉座に座っていた
そして……
「お願いします勇者様魔王を倒しこの世界を救って下さい」
いかにも偉いという重臣の人達まで頭を下げ懇願してきた
こんな光景を見せられ私たち4人は思わず
「はい」
と答えてしまった
その時は酷く後悔した なぜもっとよく考えなかったのだろうかと
だがこの国の人達はとてもいい人たちで右も左も分からない私たちにとても良くしてくれた
最初は勝手に呼んだ挙句元の世界には帰れないと言われ怒った
だがこの国の人達はそんな私たちに対してひたすら謝った
だからこれは力を持ったものの責務だと思いこの人達の力になろうと決めたのだった
そしてこの世界に来て2ヶ月
私たちは強くなるためこのリンドブルク騎士学校で学んでいる
初めは勇者ということでかなり注目されたが今では初めの頃よりは落ち着いていた
この学校は貴族も平民も通うのだが貴族だからといって権力を振りかざすものもいない
本当にいい国だと思う
そして2ヶ月経った今教室はガヤガヤしていた
私の席の隣に昨日までなかった席がある
そう転入生が来るそうだ!
「アオイ転入生ってどんな人かな?」
私とともに召喚されたミヤビが言ってくる
彼女の名は柔風 みやび10年来の親友だ
「うんそうだね」
「転入生が来るぞぉぉぉぉぉぉ」
突然クラスのお調子者トニー君が騒ぐ
「男かな女かないや女だろって言うか女以外有り得ねぇだろ」
などと意味のわからない理屈を述べる
というのも彼はこの学校に入学して告白しまくっていた
私も告白された
まぁ告白されたのは彼だけではないのだが
そう元の世界でも告白されまくったのだが私は全てを断っていた
やはり本当に好きになった人でないとダメだと思うからだ
こんな乙女チックなことは絶対人に言えないが
話をトニー君に戻すと彼はものすごい女に飢えている
もうそれは全校の女子に引かれるぐらいに
そんな彼を女子達は汚物のような目で見ていると
このクラスの担任のローラン女史が入ってきた
「えーもう皆さん分かっているかもしれませんがこのクラスに新しく転入生が来ますあと副担任の先生も来ます」
みんな新しく来る仲間に期待に胸を膨らませていると
まぁトニー君は違う意味だが
そして転入生と新しい先生が入ってきた
そこには金髪の美女と美少年がいた
美女はスタイル抜群で身長も高くまさしく女性の憧れのような容姿だった
そして美少年はキメ細やかな金髪に碧眼と緋色の眼のオッドアイであり
顔立ちも整っているまさにおとぎ話の王子様の様であった
美女が自己紹介をする
「私はレイチェル・フィンベル一緒に入ってきたやつは私の弟子だじゃあこれから宜しく」
レイチェル確かザイン校長が私達を鍛えるために呼んだっていう人もレイチェルだったような
いつ来るか聞いていなかったのだがこの人だったのか
そしてレイチェルさんの自己紹介が終わり美少年の自己紹介が始まろうとすると………
クラスの雰囲気が変わる
主に女子の
恐らく一言一句聞き逃さまいとしているのだろう
「ユリウス・アルカディアだ 馴れ合う気はない
宜しく頼む」
………………は?!
いったい彼は何を宜しくするのだろう?
「それではユリウス君の席はあの空いてるところになります」
担任のローランさんが静寂を破って口を開いた
「ああ分かった」
そう言ってユリウス君は私の隣の席に歩いてくる
そしてふと私と目を合わせると
驚いたように目を見開いた
そして何事も無かったかのように席に座った
~ユリウスside~
教室の前に着いた
「ユウ初めが肝心だぞ ここでミスったら友達も出来ねぇからな」
そうか初めが肝心なのかそれはいいことを聞いた
そして教室へ入る
そして自己紹介する流れとなり師匠が自己紹介することとなった
「私はレイチェル・フィンベル一緒に来たやつは私の弟子だ宜しく頼む」
くっ師匠め剣聖の弟子ということで会話の切っ掛けを与えるつもりか!
だが甘いなその作戦潰させてもらうそれも堂々とな
「俺はユリウス・アルカディアだ
馴れ合う気はない宜しく」
フッどうだ師匠ここまで言えば俺に関わって来るものなどいまい
勝った 勝ったぞ
俺が勝利の余韻に浸りながら自分の席へ向かっていると、隣の席のやつと目が合った
そして驚愕する
シルヴィ?……
そういいかけ口を噤む
目鼻立ちは似ているが髪や目は黒色で金髪だったシルヴィとは別人だ
それに彼女の死ぬところは今でも俺の目に焼き付いているのだから
驚くことはあったものの師匠の策を打ち破った俺は満足気に席へ着いた
そしてさぞ悔しそうな表情を浮かべているであろう師匠の顔を見ると……
彼女はうっすら笑を浮かべていた
~レイチェルside~
ユウやはりお前は馬鹿だ
こうして私の策に難なくハマるのだから
だいたい人が良くお節介がすぎるからな
馴れ合う気はないとか自分で言う奴構うに決まっているだろう
それにお前の姓はアルカディアなんだから普通気になるだろう
ふははははははははははは勝った 完全勝利だ
こうして水面下では剣聖と弟子のしょうもない戦いが繰り広げられていた
感想お待ちしております
すいません細かく設定を練り直します
さすがに行き当たりばったり過ぎました