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リンドブルク王国

俺と師匠はリンドブルク王国までの長い道を歩いた

そう本当に長かった

山を下り 谷を超え そしてまた山を超え


って俺今までどこに居たんだよ


そういえば山に篭ってたから本当に世間のこととか知らないな

まぁ世間どころか自分の居た場所すら知らなかったんだけど


まぁそんなこんなでやっと着いた訳だが……


ってかほんとに長かったな

数えてないが2ヶ月ぐらいかかったんじゃないか?


師匠実は迷ってて思いのほか時間が掛かってしまったとかじゃないだろうな


まぁそうだとしても地理に疎い俺では文句も言えないのだが


そして俺たちは城門の前まで行くと

ああやっぱ外から来たからな入国の手続きとかだるいだろうなー

俺がそんなことを思っていると


師匠は城門を()()()()()()


は?!


目が点になる

そして俺は後悔した

魔眼を使い未来を見ていればあのババアの行動を抑制出来たかもしれないのにと……






言うまでもないかもしれないが

俺たちはすぐさま連行され王国のなんか偉そうな人に質問を受けていた

いや尋問と言っても差し障りないだろう

そう王国の()()()()


いやまぁやったことは城門の破壊だから立派な賊なんだけども……


あの時この人知らない人ですと言えなかった俺を殴り飛ばしてやりたい


そしていつまでも終わらない尋問に困り果てていた俺たちに鶴の一声がかかる

まぁ困っていたのは俺だけかもしれないが



扉が開かれると白髪に顎鬚を蓄えたおっさんが入ってきた


「お! やっと来たかザイン!」

師匠が待ちくたびれたかのように言う

あの人が師匠を呼んだ人だろうか?


「はぁやっと来たかはこちらのセリフですよレイチェルさん」

「本当は2ヶ月前に来る予定でしたよね?」

「ああすまんなんか山超えて見たくなって遠回りしてきた」

は?! やけに時間かかると思っていたら遠回りだったのかよ!

「はぁすみません騎士の皆さん

こちら剣聖のレイチェル・フィンベルさんです」

「え?! この方があの剣聖殿ですか」

「ああはいそうです」

騎士達が信じられないといった目で見て

ザインさんがそれに答える

そして……

「「「「「「「し、失礼しました」」」」」」」

騎士達が全力で謝った


100%こっちが悪いのに

そして俺たちはザインさんに連れられ学校に向かった



「君がアルカディア王国の王子ユリウス君だね?」

「あ、はいそうです」

ザインさんが学校に向かう馬車の中で聞いてくる

「学校では生徒全員寮に住むことになっています

ですからそこが今日から君の住むところですよ

まぁ2ヶ月前から用意していたのですが……」

「……す……すみません」

「いえ君が悪いわけではないですから」

「それに職員や生徒には時期外れの転入生という扱いにしますので事情を聞かれるということはないですよ

まぁ剣聖の弟子ということで目立つかもしれませんが……」

「はぁまぁ馴れ合う気はないので別にいいんですが…」

「なんだユウそんなんじゃ友達できねぇぞ」

「いや別に友達とか要らねぇから」

ザインさんが困ったような顔で俺と師匠を交互に見る


すると学校が見えてきた

「あ、学校が見えてきましたよ」

「ユリウス君は今日はもう遅いので明日から登校して下さい

制服やその他必要なものは寮の部屋に置いて置きましたので」

「はぁ分かりました」

「それでは明日の朝使いの者を寄越すので一旦明日私のところに来てから教室へ行ってください」

「あ、はい」



俺は寮の部屋に着いた

その部屋は机とベッドタンスがあるだけの簡素な部屋だった

机には制服と使うであろう教材が置いてあった

俺はそれに見向きもさずベッドへ向かった

そして泥のように眠った








校長室にて~

「はぁなんかいろいろ抱えてそうな子ですね……」

「ああユウは大切なものを失い過ぎたからな

あいつは新しく関係を築くのを恐れているのさ」

「なんだかあなたが彼をここへ連れてきた理由が分かりました」

「ユウのこと宜しく頼むぞザイン」

「ええもちろんですよレイチェル」


「それで私を呼んだ理由はなんだ?」

「実は……この度王国が異界から勇者を召喚しましてその方たちを鍛えて欲しいのです」

「魔王を倒すためにか?」

「はいそうです」

「そうか……」

「そのどうかしましたか?」

「いやユウも魔王を倒すと言ってるからな

仲良く出来ればいいと思ってな」

「ふふっあの剣聖が弟子の心配ですか?

随分まるくなりましたね」

「ばっかそんなんじゃねぇよ」

「それで勇者もこの学校にいんのか?」

「ええはい! ちなみにユリウス君と勇者方は同じクラスにしましたのでいつでも様子を見れますよ」

「ちっ余計な世話焼いてんじゃねぇよ」

「まぁいい礼は言っておくよ」

「それでは明日の朝ユリウス君と一緒に来てくださいクラスの方々に紹介しなければならないので」

「は?! 紹介?」

「あれ? 言ってませんでしたっけあなたそのクラスの副担任になるんですよ」

「はあああああああああああああああ?!」



誰も居なくなった学校に絶叫が響き渡った










窓から朝日が差し込みその光で目が覚める

「くぅぅぅぅ」

ベッドから出て思いっきり伸びる

良質なベッドと言う訳では無いがここ2ヶ月野宿していたためとてもよく眠れた


「グゥゥゥ」

そこでお腹がなる

そういえば昨日の夜は食ってなかったな

ってか食事ってどこで摂るんだ?

と思っていると

トントン ドアをノックする音が聞こえる

ドアを開けると

そこには青い髪にウサギの耳を携えたメイドさんが居た


ん? うさぎの耳?


「あのザイン様からの使いの者ですが……」

メイドさんが顔を赤らめながら言う

ってえ? なぜ顔を赤らめる?

俺の顔になんかついてるか

って あ、そうか ありましたね 変な左目が


これでは俺もうさ耳のことは言えないと思い黙っていることにした


「ああそうか 今着替えるから待っててくれるか?」

「え? あ! はい」

何を惚けていたのだろうかメイドさんは驚いた顔で言う


3分後~

俺は支度を整え部屋から出る


そして俺は恥ずかしげに聞いてみる

「あのご飯ってどうすればいいんですか?」

「あ! えっと寮には食堂があるのでそこで食べれますよ」

「あ、そうですか」

会話が続かない

まぁ別に誰とも馴れ合う気はないからいいのだが



そんな気まずい時間を過ごしながらついに目的地に着く

そうそれは食堂!

ではなく校長室だ

俺はいつ飯にありつけるのだろうと思っているとさっきのメイドさんがサンドイッチを出してくれた


これは素直に嬉しい

この2ヶ月魚や肉などばかりだったから炭水化物はありがたい


それから飯を食べ

ザインさん師匠と共に


ん? 師匠も? なんで?


「なんで師匠もいるんですか?」

「ああ私も教室に用があるからな」

なんだ用ってもしかして

「師匠も生徒として通うんですか?」

「は? んなわけねぇだろ教師としてだよ」

「教師?!」

ザインさん正気だろうか

この人が口で語れるとはとても思えない

いつだって口より先に手が出る

まさに拳で語り合うってやつだ


そんな人に教師が務まるだろうか? いやない!


これから起こるだろう様々な苦労を想像しながら教室へと向かう


そしてザインさんが教室のドアを開け入って行く

そして俺は教室への1歩を踏み出した

感想お待ちしております

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