6.あなたの世界は? by火影 (前半)
新キャラ登場!!
しかも、重要でこれからもこの物語に関わってくる子が二人も!しかも一人は男。
しっかし、ここからは、ノートに書き溜めといた原作の話の区切りが不安定ですので、いきなり前半後半に別れたり、すごく短くなったりして行きます。
ーああ、運命ってもんは、こんなにも残酷なんだ。ー
齢五歳の僕は思い知った。
僕はある力によって一人だった。孤独だった。
今でも怒りを覚えれば、暴走するこの力。
どうやっても、この力を制御してやる。その一心で生まれた時から傍にあった槍「毒槍」を振った。ようやく力を制御しても、皆は来ない。
ーー結論、
僕は孤独。誰も来ない。ーー
さぁ、君に分かるだろうか?ある日突然両親と別れ、知らない山小屋においてかれて、固いパンと苦いスープを一日一回知らない人が運んでくる。
ニワゼキショウにもさわれない。川に近づけば、水が毒に変わる。
やれることといえば、かってに毒矢に変わる弓矢で狩をすることぐらい。
ある時気付いた。僕は毒を飲んでも平気らしい。しかも、毒の方が栄養剤のように成るらしい。だったら、もういっその事一人で自給自足してしまえ。ということで、近くの村との交流を裁った。
これがハ歳の時だった。
十歳の時村に疫病が流行った。それを僕のせいにして、僕の畑を踏み荒らし、ただでさえボロい山小屋を壊滅的なまでに壊された。
僕は、そのあと暴走したらしい。
よくあるだろう。怒りで我を忘れて記憶も飛ぶやつ。ただ、暴走した場所が悪かった。村に連れて行き憲兵に渡そうとしたところで、怒りが頂まで登ってしまったらしく、
紫色の嵐が見えたそうだ。そして、収まった頃には、ハエも住めないほどの空気汚染と、村の全壊。植物の生えない土壌。清々しいまでの汚染度だったらしく、王都ではかなり問題に成ったらしい。
やっぱりだが、大罪人として王都まで連行された。
でも、他の大罪人と隔離されていたので、暇過ぎて色々な毒に薬を作っていた。かなり疲れるが、良薬も作れるようになった。コインの裏の裏は表という原理だ。
どんなけ良薬を作ってもやっぱりだが、孤独なのは変わりない。
あの頃に戻りたい。
あの日の当たる場所、草木が生えている場所、緑の香りのする場所へ。
過去を嘆いたって意味はなく、何も起こらず、不毛な事だとわかっている。でも、ふと思ってしまった事は、そう簡単には消えない。
ある時、とても綺麗な服をきた少女が僕の牢屋の前にいた。
「ねぇねぇ、君の名前は?」
無い。
「あそっか、先に名乗るのが礼儀だよね。
私はアキノ。君は?」
「・・・・。無い。」
「嘘だよね?」
「本当です。冷やかしにきたなら、帰ってください。僕が怒る前に。」
アキノは傷ついたような顔をした。
何だか罰が悪くなって、そっぽ向いた。
「ごめんなさい。ズケズケと…君と仲良くなりたかっただけなんだ…
でも、呼び名だけでいいから、教えてくれないかい?またきてお話をしたいんだ…」
「勝手に決めてくれ。」
「いいの?
なら、火影
君の目と髪が炎のように紅くて綺麗だったから。」
綺麗な亜麻色の髪と目を持った少女は笑った。
夏のように蒸し暑かった鬱憤を抱えた僕の心にその笑顔は、秋風になって届いた。