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最強のペーパーナイフ

 ドラゴンキャッチャーの景品にするということは、ある程度の数が必要になって


くる。そんな中で、過去に経験値とスキルと得るために作成した、世間に大きな影


響をあまり与えないアイテムを放出することにした。


 まぁ、この世界に来て人を殺した事もある。そうしなければ、自分がやられてい


たからしょうがないと割り切るにはあまりにも大きすぎることであった。私の鍛冶


のスキルが上がるにつれ、その武器は簡単に人を殺す事ができるようになる。なの


で、鍛冶での武器は自分用か、身内、さらには信頼できる者にかぎって武器を作成


してきた。


 そんなチキンな私が、心置きなく作れたものはペーパーナイフであった。まぁ、


これでも殺せない事はないが、私の武器として作ったものとは天と地ほどの戦力格


差が存在する。しかも、対人間について弱体化の効果が付いていて、逆に植物や獣


に対しては強くなる効果が付加してある。


 まぁ、我が異世界カンパニーならば植物の効果だけでもよいが、古き良きファン


タジーを愛する者として獣への効果は付けなければ負けのような気がしてならなか


ったからである。



 このペーパーナイフは、今ある分がなくなっても追加の予定は今のところないが


おいしいポーションに比べて人の波は大きくなかった。しかし、景品がなくなって


からの問い合わせの声は大きかった。




 ある自由都市から遠く離れたところに、紙や羊皮紙を扱う店があった。そこに正


確な仕事はするが手が襲い職人がいた。しかし、彼は店員から店長へと出世する。


なぜならば、彼はドラゴンキャッチャーでペーパーナイフを手に入れたからだ。


 彼はちょっとした事情で、この自由都市へとやってきた。故郷への土産話として


ドラゴンキャッチャーをしたのである。そして、運よく手に入れた物がそのペーパ


ーナイフである。もとより正確な仕事をしていた事もあり、優れた道具を使えば効


率性は上がり。彼は、その道具を使いこなす才能があったのである。




 ある小柄な新米シーフが、いままさに命の危機に瀕していた。シーフの本分は戦


闘ではない。もちろん、戦闘力に優れているにこしたことはないが、それならばも


っと有用な存在はいくらでもいる。暗殺などを除けばであるが。


 「っち、安物のナイフが壊れやがった。こんな下級トレントなんて安物でもナイ


フさえあれば、どうにかったったのに。なにかないか、なにかないか。」


 そんな彼女に天が見方をする。最近できたというドラゴンキャッチャー、手先の


器用な彼女はペーパーナイフ入手することができた。彼女は、その貧相な胸をしま


っていたマントのなかをしらみつぶしに探す。そこでペーパナイフを入手したこと


を思い出す。


 「ふん、ペーパーナイフでもないよりはマシか。もう、こなったらやぶれかぶれ


だ。」


 しかし、彼女の思惑は良い意味で裏切られた。刃もついてないちゃちなペーパー


ナイフで行った攻撃が、彼女が今まで攻撃していたなかで最高のダメージを下級ト


レントに与えたのだ。


 「これって、かなり使えるんじゃ。」


 そう思った彼女は行動が早かった。世間ではとても良く切れるペーパーナイフで


はあるが、その価値はその小ささで魔力を宿していない武器では、かなりの攻撃力


をもっているのである。


 彼女はなんとか、ドラゴンキャッチャーの真の価値を知らない者達から、ペーパ


ーナイフを少数入手することができた。金や話術など、色々な手段を使ってであ


る。


 彼女はそのペーパーナイフに刃をつけてもらい、短剣へと仕上げてもらった。そ


のナイフで彼女は下級トレントを狩りまくった。なぜなら、下級トレントを購入し


てくれる店があるからである。その名は異世界カンパニー。

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