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姫さまと白い悪魔1

「『おもち』とやらが食べたい」


先日の行商人アゲトールの一件以来、恥じらいのあまり逃げ出してしまったミラ姫さまですが、その後も足しげく謁見に来ては面白おかしい話で姫さまをいじr……もとい楽しませるアゲトールのことがなんだがお気に入りになったご様子。


あれから頻繁に手紙でやり取りをしては、嘘か誠か、いろいろな情報を仕入れてくるようになりました。


これはまことか! あれはどういうものじゃ! と無邪気に質問してくる姫さまはそれはそれはかわいくてたまりませんが、今日届いた手紙には、少し変わった内容だったご様子。


「アゲトールのやつが、ほっぺが落ちるほど美味しく、多くの人々を魅了する別名”白銀の悪魔”とも呼ばれる『おもち』とやらがあるというておってな。悪魔の名を冠した食べ物じゃぞ! 食うてみとうはないか? セバスチャンよ!」


「お餅ですか?」


「知っておるのか? 具体的に、どういったものなのじゃ? なぜ悪魔などと呼ばれておる?」


ふむ……。お餅はこの国でもごくごく庶民的な食べ物。逆に姫さまは食べたことがないでしょうね。


もちろん、悪魔云々のくだりはアゲトールのでたらめなのですが、ただ用意するもの趣がない……っ、そうだ! 良いことを考えましたぞ!


「かしこまりました。実際お目にかかられたほうが早いでしょう。すぐにご用意させましょう」


「まことか!」


「ただし、一つだけ、お気を付け下さい」


「ん?なんじゃ?」


ゴクリと、わざと大げさに生唾を飲み込みます。


「決して、ヤツを怒らせない……」



びくっ!っと震える姫さまのかわいさを確認して、用意のため一旦その場を離れるのでした。


^^^^^^^^^^^^^^

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