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姫さまと行商人1
ミラ姫様はまだ14の少女とはいえ、れっきとした皇族の一人。
まだまだおぼつかないながらも日々公務に勤しんでおられます。
本日は希少品を扱うという旅の行商人の謁見がございました。
ミラ姫様にとっては初めての謁見対応。とても緊張しておられるご様子。
「セ、セバスチャン、身なりに問題はないか!?」
「いつもと変わらず、ご立派でございますよ」
「しょ、しょうか! わらわも臣民の範とならねばならぬ身。ぬ、ぬぬ、抜かりはないわ!」
精一杯の背伸びをしようと必死なご様子の姫様。
ああ、なんともかわいらしい。
ああ、いけない。
私セバスチャンめは、本来姫様をサポートし、お守りせねばならぬ存在。
しかし、このような姫様をみるとどうもいじりたくなってしまいます。。。
なぜなら!
かわいいから!
かわいすぎるから!
聞けば本日謁見に参る行商の者、なかなか口が達者のよう。
ああ、今日はどんなかわいい姿をお見せいただけるのか!
こんな邪な考えとともに、しばらく姫様の対応を傍観することに決め込むのでした。
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