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神官との出会い

「目が覚めた?」


 目が覚めると、知らない天井だった。まあ、超兵士な俺にはよくある事なんだけれども。


 ただ……


「私が見える?」


「アンタ誰? 天使?」


 目が覚めたばかりで不機嫌な俺は、不愛想に目の前の人物にそう話かけてしまった。


 すると、目の前の人物が後ろ向けにずっこける。


「やだぁ、天使だなんて! 私は違うわよぉ!」



誰なんだこの人?


 見ると、なんだかその人は修道服のようなものを着ている。白っぽい服で、なんだか軍人のようには見えない。どこかの集落かなにかに運び込まれたのか……


「えーっと、本当に誰なんですか?」


 俺がそう聞くと、その人物は髪の毛をパサっと靡かせながら華麗に立ち上がった。その髪型は金髪ロングヘアーだ。よく見てはいないものの、どこかで留めているわけではなさそうだった。


 立ち上がった姿をよく見てみると、かなり背が高かった。俺よりも高いかもしれない。きっと175はあるな。そして、モデル体型とでもいうのか、なんだか世間一般で“エロっぽい”と言われるような体つきが、服の上からでも伺える。


「……どうかしたの?」


「いや名前を」


 俺がなんとなく彼女の体を眺めていたのがバレたのか、彼女がそう聞いてきたが、俺はごまかしもかねて名前を聞いた。


 すると、彼女は、コホン、と一度咳払いをしてから名前を名乗った。


「私の名前はアイラン。アイラン・メイランね。この町でこの神殿の管理の一端を任されているわ」


 見下ろすような形でそう言ってくる。まあ俺はベッドに寝かされているようなので当たり前なのだけれども、なんだか胸がキュンとしてしまった。


「俺の名は“シュピーゲル”。アギル・シュピーゲルです」


 アイランと名乗る彼女の名乗りに対して、俺も名乗りで返した。



その名乗りに対してアイランさんは「ふぅ~ん?」という感じで顎にちょこんと人差し指をあてて上を向いた。俺の名を確認しているのだろうか。


 ちなみにさっきから少し俺が緊張しているのは、俺がドMだからとかではなく、単に年上のお姉さんと話したことがないからだ。……というか、そもそもの女性経験も少ないのだけれども。


 俺がそんなことを考えながらアイランと名乗る女性をじっと見つめていると。

「まあいいわ、冒険者カードはある? あんなところを歩いていたってことは、当然冒険者カードは持っているのよね?」


 しばらく上を向いていたアイランさんは、唐突にそんなことを聞いてきた。

冒険者カード? 軍隊のカードならあるけれども、今はそんなものができたのか。初耳だった。



俺は“冒険者カード”とやらの代わりに任務時用の“隊員カード”を差し出す。


 “隊員カード”も、“冒険者カード“とやらも、結局は単なる身分証だろう。救助隊かなにかに連絡してくれるなら、それだけあればいい。


 ……と、思ったのだけれども。



「……なにこれ?」


 アイランさんがそんなことを言い出した。不思議気な表情で隊員カードを見つめている。

 何かいけなかっただろうか?


 俺の心配も余所に、アイランさんは俺の隊員カードをしげしげと眺める。


 まさか、俺の顔写真に一目惚れしたとか? なんていう幸せな思考回路を俺は持ってない。というか、それなら目の前に本体がいるんだからそっちが先なはずだ……


 などと動転している俺がみょろみょろとそんな思考をしていると、アイランさんの方から声が掛かる。


「この、顔……」


 え?


 顔写真に一目惚れって、本当ですかアイランさん? 俺の予想当たったの?


「この顔の絵、どうやって描いたの!?」


 俺はずっこけた。そっちかよ!



 ……というか、何? この人カメラを知らないの? “絵”って言ったよね?


「え? いやそれは普通にカメラで写真を……」


 そうか、戦乱で文明レベルはそこまで落ちてしまったのか……


 そうか……



 いや、おかしいよね? 絶対おかしいよね?


 そして、俺の考えを遮るようにアイランさんが叫ぶ。


「か、キャメラ? あの写したもの全ての時間を停止させ、果てには魂まで吸い取るという悪魔の魔導機!?」


 なんか色々混ざってますけど…… なんか古いんですけど……



「そんな悪魔の魔導機が使えるなんて、実は良いとこのお坊ちゃま? いやでも、まさかそんなはずは……」


 アイランさんが俺の方をチラチラ見ながら言ってくる。なんかよくわからない勘違いされているけれども、とりあえずそのチラチラ見る動作がまた女性的で――――




ドゴォン!


「アイルッ!? アイルは!?」


 突然に扉が、バタァン! と勢いよく開けられた。


何者かがそこから入り込んでくる。敏捷性が非常に高いようで、ドアを開けた直後にはすでにダッシュを始めていた。――というか、アイルって誰?



 ――と思っていたらその問題の人物は勢いよく俺の寝ているベッドに駆け寄ってきた!


 え、俺アギルなんですけど。“アイル”じゃないんですけど。



 困惑しまくっている俺のことなど一向に気にせず、かの人物は横になり体だけを起こしている俺を凝視したまま――


 ――なぜか、勢いよく抱き着いてきた。




次回、初戦闘予定?

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