番外編、魔剣を当てた半端者レナ 1
レナside
私の人生は最悪の一言だった。
この世界では私のように他種族との間に産まれたのを半端者と呼び蔑み嫌われる。
父はオーガと呼ばれる戦闘が得意な種族であり、母親は人間の冒険者だった。
そんな2人がどうやって出会って愛を育んだのかわからないが私はそんな2人と一緒に入れて幸せだった。
外に出れば私を半端者として蔑みまともに関わろうとする人はいなかったが、そんな中でも種族として戦闘が得意な父親が前衛で戦い、母親は他者の動きを強化するスキルを持っていたらしく後衛でサポートしてダンジョンを攻略していたらしく、わざわざ喧嘩を売ってくる者はいなかった。
10歳を迎えた頃から父親から戦闘の手ほどきを受けるようになっていた。この頃になると半端者の私がこの世界で暮らしていくのは厳しいのだということはだんだんと感じでいた。そんな私がこの世界めやっていくには冒険者として生計を立てるのが1番だというのは分かっていたため、父親との訓練も未来の自分を考えればこそ、辛くはなかった。
幸いにして私には父親譲りの高い戦闘能力を受け継ぎ、母親とは違い自分しか強化出来ないが『自己強化』のスキルを持っていたため、戦闘自体も大した苦労もすることなく両親と一緒にダンジョンへ行くことも多かった。
だがこの世界はそんな甘くはないと知ったのが12歳の頃だった。
いつものように3人でダンジョンへ行こうとすると目の前には父親とおなじオーガが複数人武器を構えてこちらに向かっていた。
父親は私たちを庇うように前にでて、彼らに問いかけた。
「お前たち一体何の用だ!」
「決まっているだろ、我がオーガから半端者を出したとなれば偉大なる先祖たちに恥を塗ることになる、だからこそそこの半端者を始末する」
どうやら彼らの狙いは私のようだ。これまで蔑まれてきたが直接命を狙われるのは初めての事だった。
モンスターと違い彼らには明確な意思があり、私を確実に殺そうとしている。
そんな事実を突きつけられ恐怖が襲ってきた。そんな私を庇うようにして両親が彼らの前に立ち塞がった。
「レナ、お前は逃げろ!絶対にお前は守ってみせる。」
「そうよレナ、私たちのことはいいから早く逃げなさい!振り返らずに全力で逃げるのよ!」
なにを言ってるのかわからない
どうして私だけが逃げるのか、2人はどうするのか、だが考えを与えるほどの隙を相手は与えてくれず私を殺そうと襲いかかってくる。
そんな彼らを両親が必死に食い止めて私の方を見て叫ぶ、
何を言ってるのはわからない、だが必死に伝えようとする両親の姿を見て私は全力で逃げ出す。
両親がどうなったのか、本当なら私も一緒に戦うべきだったんじゃないのか、そんな考えが頭をよぎるが両親の言葉が頭から離れずに私はずっと走っていた。
もう随分走ったと思う。辺りはもう暗い。見知らぬ土地に辿り着いた私はとりあえず身を隠すことが出来るところを見つけそこで1晩を明かすことにした。
ようやく落ち着けた所で両親の顔を思い出す。私を命を懸けて守ってくれた両親、どうして私は一緒に戦わなかったのか、どうした私たちがこんな目に合わなければならないのか、半端者はそんなに悪いことなのか、
ずっとそんなことを考えていると夜が明け朝日が昇ってきた。とりあえずここがどこだか知らなくてはいけない。
そこらにいたこの街の住民であろうの男に話しかけた。
「すいません、ここは一体どこなのでしょうか?」
「あ?ここはヌマシの街に決まってるじゃねえか、一体どうしたん………」
どうやらここはヌマシという街のようだが聞いたことがない。いつの間にかこんなところに来てしまった用で帰れるのだろうか考えていると男の言葉が途中で詰まった
「あの?」
「お前、オーガでもないのにその角は半端者か!?」
「あ………はい、そうですがとりあえず話だけでも聞かせて貰えませんか?」
「断る、誰が半端者なんかに!悪いがもう話すことはねえよ」
男はそう言うと走り去っていく。
私たちのそんなやり取りが聞こえたのだろう、街の皆が私を蔑む目で見てくる。
あのオーガ達と一緒だ、私を攻撃するような者はいないがそれでも蔑みの目は止まらない。
私がなにをしたのだろう、ただ両親の種族が違うということだけで差別にあい、まともに接することもない。挙句の果てには父親と同じ種族に殺されそうになり、そんな私を庇って両親は恐らく殺されてしまった。
なんで私ばかりがこんな目に合わなければならない。ただ半端者ということだけでこんな目にあう義理はないはずだ。
わたしの中に黒い感情が生まれ増幅する。
全てあのオーガ共が原因だ。アイツらさえいなければ3人で幸せに過ごせていたのに、アイツらさえいなければ、、、
1度考えるともう止まらない。あのオーガ達に復讐することを誓う。だが私一人では彼ら相手に復讐を果たすことは出来ないのはわかっている。
私より強い父親が適わないと見て私に逃げるように行ってきたのだから、どうにかして力がいる。
何年かかってもいい、力を手に入れてあのオーガ達に必ず復讐を!
そんなことを考え今後どうするかを考えるが強くなり、生活もするとなるとひとつしかない。
幸いにもこの街にも冒険者ギルドがあるらしく私はそこに向かうことにした。