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人の爆死は一番のエンタメ

異世界でガチャが引けると思いスキルを発動して絶望に落とされてから1週間が経ったがヌマシの街でもかなりガチャが認知され始めていた。



最初は怪しまれていたガチャも冒険者ギルドに協力してもらうことでなんとかみんなに認知された。

警戒していた冒険者もSRの中級ポーションやSSRの上級ポーションが当たり始めてからみんな儲けるチャンスだと思いガチャを回している。


この世界ではポーションというのは作れる人が大変少なく作れても中級ポーションがせいぜいだという。

中級ポーションもダンジョンなどで稀にドロップするみたいだが数は少ないらしい。

その中級ポーションですらかなり高額で最低でも金貨30枚はするらしい。

ガチャを1回引くのに銀貨1枚なので中級ポーションが当たれば最低でも300倍で売れる。

上級ポーションともなれば金貨の上の大金貨3枚、3000倍の当たりともなればみんな喜んで引くだろう。



またこの世界は回復魔法はとても希少らしく、スキルによって魔法が使えてもほとんどが攻撃魔法で回復魔法でも酷い怪我などは治せないため、冒険者の中にはそういった事情もあり売らずに万が一のためにゲットする人もいるみたいだ。


中級ポーションならそこらの回復魔法より協力で上級ポーションともなれば欠損部位なども治せるので回復魔法より強力だ。


そういったこともあり冒険者の中ではかなり広まっていて、住民のみんなも一攫千金を求めてガチャを引いていく人が多い。

だがそんな中でも皆が狙うのはUR・スキルの種だ。

冒険者ギルドで教えてもらったがこのスキルの種とんでもないものだった。


通常スキルは生まれた時に決まっていてそれから増えることは無いらしいがこのスキルの種はその名の通り食べればランダムでスキルが付与されるらしい。


これさえあれば今までスキルがなかった人でもスキルを手に入れられてそのスキルによっては今後の人生を大きく変える可能性がある。

通常はポーションなどと同じようにダンジョンでごく稀にドロップされるものだがその値段は上級ポーションよりも高く、ドロップしても売りには出さずに自分で使う人が多いため値段は計り知れないらしい。




だが当然当たりなど簡単に出るはずもなくみんな大金を注ぎ込んではNしか出なかったり、でてもRの下級ポーションだったりで爆死しては怒り狂ったり、同士を見つけて慰めあっていたり実に愉快な光景だ。


「おい!どうなってる!30回引いても全部変な紙じゃねえか!ポーションなんてでねえぞ!」

「なんとか下級ポーションがでたけどこれじゃ赤字だよ…引くんじゃなかったな…」

「やった!1回で中級ポーションが出たぞ!これを売れば借金が返せる!」

「ふざけんな!100回引いて下級ポーション1つとかおかしいだろ!金返せ!」



ここら辺は異世界でも元の世界でもみんな同じような反応するんだな

けどこんなに見てるとガチャすごい引きたいな!

目の前にあってみんな引いてるのに自分だけ引けないとかこんなの拷問だろ!

幸いにも皆がガチャに使ったお金は全部自分のものになるためかなりの大金が手に入ってはいるがやっぱり目の前でガチャを引かれると自分も引きたくなるものだ。


最初にスキルの説明を見た時にも書いてあったが例えどんなにレベルが上がろうとも自分で出したガチャは決して引くことができないのは運営サイドの人間だから仕方ないのだろうと理解はしているのだが、ガチャ廃人には惨い仕打ちだ。



ならせめて自分の出したガチャで爆死する人を見てこの気持ちを発散しよう!

そう考えていると、少年が近寄ってきた。


「アイさん!お久しぶりです!」


「お!シンくんじゃん!久しぶりだね!」


少年はこの世界に来た時にいろいろと教えてくれたシンだった。

この一週間自分のことに忙しく、まだあの時のお礼もしてなかったのでちょうどいいと思いシンにお礼をすることにした。



「あの時はありがとうね!おかげでこうやってスキルでなんとか暮らしていけてるよ。」


「あのガチャてアイさんのスキルだったんですね!ポーションとかでてくるなんてすごいです!」


「ありがとう。自分でもよくわかってないんだけどね」


「それでも凄いことですよ!ポーションなんて僕なんかじゃ手に入る機会なんてないのでありがたいです!」


「ハハ、そう言って貰えると助かる

よかったら引いていってね!」


「はい!じゃあ早速引いていきますね!」


そういってシンはガチャの列に並んでいく。

それを見て早速『ガチャ』スキルの準備をする。

『ガチャ』スキルを詳しく調べたところある程度できることが分かった。

その中でも一番の収穫はガチャの確率を自由に操作出来ることがわかったのだ。

URを一生出ないようにすることもできるし、逆に特定の人物が引く時に必ず狙ったアイテムを引かせることもできるのだ。

ここまでURは一回も出ていないのでここ辺でしっかりと出ることをアピールするにもいい頃だろう。


準備をして待っているとようやくシンの順番になった。

どうやら銀貨を1枚入れていることから1回だけ引くようだ


「さあ、ポーションきてください!」


そう願っているシンには悪いけどお礼と広告塔も兼ねて君にはURをプレゼントだ!

スキルを発動させ確率を弄りUR確定にする。

そうするとガチャから排出される時に虹色の光が辺りを照らす。


「なんだこれ!初めて見るぞ!」

「始めてみるってことはまさかこれスキルの種が当たったのか!?」

「まじか!一発で当てるとかどんな運してるんだ!」



他の冒険者が騒ぐ中シンは驚きで固まっているようだ。


「シンおめでとう!URのスキルの種が当たったみたいだね!」


「アイさん!え、本当にこれ当たったんですか!?

1回しか引いてないのに!?」


「そんなこともあるさ、とにかくおめでとう!」


シンはまだ現実を受け止められてないみたいだが周りの冒険者は次は自分が当てる番だと我先にとガチャを回そうとする。

スキルの種が当たったことでこれからも更にガチャが引かれそうだな。

この調子なら次のガチャが解放されるのもすぐかもしれないな。


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