表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

異世界でもガチャができると思いきや

ガチャとは最高のコンテンツだと俺は思う

色んなガチャが世の中にはあるがそのどれも俺は好きだ。

一発で目当ての物を引き当てる運のいい奴も入れば俺のようにいくら注ぎ込んでも爆死しまくる奴もいる。

爆死したやつを笑う奴も入ればそんな奴を同士として慰め合う奴もいるそんなガチャが俺は好きだ。


それが俺――アイという人間だ。

給料のほとんどをガチャに注ぎ込んでは爆死して皆で慰め合いまたガチャを引くそんな生活をするガチャ廃人だ。

そんな俺だが運というものが絶望的にない。



一発で目当ての物を当てるなんてことは絶対にないし昨今導入された天井というシステムに頼らなければ目当ての物をゲットするなんて絶対に無理だし、天井システムがなければいくら回してもでない絶望的な運の持ち主が俺だ。


だがそんな俺でもガチャは大好きだ。

普通の人ならそんなに運が悪いなら辞めるだろうが俺は違う。ガチャを引いてもしかしたら自分でも目当てのものを引けるかもしれないというあのドキドキ感が堪らなく好きなのだ。

まあ、半分はヤケクソになってるのも否定できないが…



そんな俺だが今日は最高にテンションが高い。

なぜなら今日は給料日!

課金してガチャを回せる日だからだ!早速ガチャを回すべく課金をしてガチャ画面を見る。

するとそこには普段と違う画面が表示されていた。



『期間限定!異世界ガチャ!』


なんだこれは?

異世界ガチャという言葉は初めて見た。

見た感じ普通のガチャと同じようにアイテムが貯まれば回せるようだがどうやら1回だけ無料で回せるみたいだ。


どんなガチャか分からないがガチャ好きとしては見過ごせるわけもなく、ガチャを回す。

画面が変わり色がどんどん変わっていく。


銀から金に、金から虹色に変わっていく。


まさか!ついに俺にも一発で当たりが来たのか!


そんな期待をするとついに結果が表示された。

その結果は、


『UR 異世界転移』



異世界転移?

画面にはそう書かれているだけだった。それ以外には特に変化はなくまた画面をタップしても何も無いため騙されたと思いスマホを仕舞おうとするがなにやら視界が急に暗くなり始める。



これはやばい…

そう思いながらも意識は沈んでいく。なにやら声が聞こえるが上手く聞き取れない。そのままアイは意識を失う。







ふと目を醒ますと全く見覚えのない場所にいた。

俺は確かガチャを引いてそしたら意識が急に消えて、それからなにやら声を聞いた気がするが内容が思い出せない。


周りを見渡して見るがどこかの街のように思えるが、どことなく文明レベルが低いように思える。

そこで意識を失う前に見た記憶を思い出す。あれには確か『異世界転移』

そう表示されていたはずだ。

ということはここは異世界なのか?


確認しようとスマホを出そうとするがどこにも無い。

それどころか持っていた財布やバックなども何も無く、持ち物は全部消えていた。

嘘だろ、給料日だから課金するためのお金とかも全部入ってたのに、しかもスマホもないんじゃ何も出来ないじゃないか…


とりあえず自分だけでは何も分からないので歩いてみることにしたがすぐに人を見つけることが出来た。

子供だがこの街の名前などを聞くことができるならいいだろう。


この少年の名前はシンと言うらしい。とりあえず日本語で話しかけると言葉が通じた為助かった。話しかけてきた俺を怪しんではいたが必死に頼み込むとこの街のことについて教えてくれた。


どうやらこの街はヌマシと言う名前らしい。

この辺りの街の中では割と大きく、冒険者や商人などが多くいて賑わっているみたいだ。



冒険者ギルドもあるらしく、12歳から登録可能らしくシンもF級の冒険者として活動しているみたいだ。



なにも持ってないこの状況じゃとりあえず冒険者ギルドに行って冒険者になるのが1番か…


このままだと何も買えずに飢え死に確定のため冒険者になることを決意する。

シンにギルドへの道を教えてもらいお礼をいい、そのまま冒険者ギルドへと向かう。






冒険者ギルドに着くとそこはゲームなどでよく見るようなところだった。

受け付けがあり、また、酒などを飲んでいる冒険者のような人達の姿も見えている。

そんな光景を見ていると腹が減りそうになるため急いで受け付けに向かい登録を済ませることにした。



「すいません、冒険者になりに来たのですが。」


「はい、ではここに名前と年齢の記入をお願いします。」



そう言われ紙を渡されると見たことがない字だが、なぜが読め、また意識しないで書けたため疑問に思いながらも記入をして受け付けに渡す。



「はい、アイさんですね。では、こちらでスキルを調べるのでここに手を置いてください。」


そう言われると丸い水晶のような物を持ってくる受付嬢に色々聞きたかったがとりあえず手を置いてみる。



手を置くと頭の中にスキルが表示されてくる。

不思議とそれらが自分の中に眠っていた力だと認識してくる。


「では、あればスキルなどを教えてください。」


「スキルがない人もいるんですか?」


「ええ、大半の人はスキルなどはありませんよ?あるのは10人に1人ぐらいですね。」


どうやら自分はその1人に入れたみたいだ。

複数スキルがあったがこれはきっと転移ボーナスとかそういう類のものだろうと思いこれを話すか悩む。

複数あるのはかなり目立つためとりあえず1番自分が気に入った1つだけ話すことにしよう。


「スキルは『ガチャ』ですね!」


「ガチャですか?聞いたことがないので多分ユニークスキルだと思いますがどのような力か分からないので気をつけてくださいね。」



そう言われるとF級とかかれた物を渡される。


「これは冒険者であることを示す証明書です。

ランクを上げていくといろいろなクエストなどが受けられるので頑張ってくださいね!」


そう言って優しく微笑んでくれる受付嬢のお姉さんに色んなことを聴きながらとりあえず薬草集めのクエストを受けてギルドを後にする。





無事に冒険者になることができたのでとりあえず薬草を集めるために街の外に出ることにした。

薬草は街の外にある森の近くに生えているらしいがそこはまだモンスターなどがでるところでもないので初心者でも簡単に取れるらしい。



少し歩いたところで森の近くの薬草スポットに着いたので薬草を取る前に自分のスキルについて確認しておくことにする。

受付嬢のお姉さんに教えてもらった通りにステータスと言ってみると目の前に自身の名前とレベル、そしてスキルが表示される。


そこに表示されるスキルには『ガチャ』『鑑定』『異世界言語』

『アイテムボックス』の4つのスキルが表示されていた。

こういう異世界ものには定番の3つのスキルと受付嬢も聞いたことがないと言っていたガチャのスキル。



ただ異世界人でガチャ廃人だった俺にはわかる!これはガチャが引けるスキルに違いない!そしてレアアイテムなどが手に入るそういうガチャだ!

そんな期待をして早速スキルを発動すると目の前に1.5メートルほどの大きさの機械が出てきた。

見た目は自動販売機のような感じで恐らくお金を入れるところと液晶部分が正面に取り付けられている。




なるほどこれでガチャを引くんだな、

早速ガチャを回そうとして機械に触れると液晶画面につく。

そして中身の景品のリストのようなものが表示された。



N・ハズレ件1枚

R・下級ポーション

SR・中級ポーション

SSR 上級ポーション

UR・スキルの種



これらがこのガチャの景品のようだ。

そして景品一覧の下に1回引く、10回引く、と表示されているので恐らくそこをタッチしてガチャを引くのだろう。

スキルの種がなんなのかわからないがポーションなどは大体予想がつく為良しとしよう。

とりあえずガチャを回そう液晶の1回引くをタッチするがなにも起こらない。

やはりお金を入れないとダメなのか?

そう思い再びステータスと唱え『ガチャ』スキルの詳しい説明を見ることにする。

調べて見るとどうやらガチャを引くには1回銀貨1枚が必要らしく、銀貨10枚か金貨1枚入れると10回回すことができるみたいだ。


ガチャもレベルが上がると違う景品のガチャ機が呼び出せるみたいだ。


これは早くレベル上げてクエストやってお金を稼がないと!

そう思いながら説明を読んでいると最後の方にかかれていた文を読んで俺は絶望して膝をついて泣き出す。


そこにはこう書かれていた。




『なお、このスキルの所有者はガチャを引くことができません。またレベルが上がってもこれは解除不可能です。』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ