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テスト戦争

作者: 甘宮 恋

 テスト―――

 それは、全学生が憂鬱になるもの。そして、学生の本分戦争だ。


 俺は田口兵馬。普通の中学三年生だ。

 そして、今俺の隣に居るこいつは、葛城乙葉。

 テストでいつも学年1位を取るいわゆる天才だ。

 俺はというと学年で4〜2位を彷徨っている。天才とは言わないまでもそこそこできるやつだと自分で信じてる。俺だって努力してないわけじゃない。というか全体的に見ても努力している方だと思う。けれど努力しても上には上がいる。そんな天才は才能(プラス)努力だからな。

 当然勝てるはずがない。

 しかし、今は2月。故に、次のテストが中学生活最後と言うことなのだ。取りたい、1位や2位を取りたい、クラス中に俺でも努力すればできることを証明してやりたい。

 それに俺はけっこう負けず嫌いなのだ。

 うおぉぉぉぉぉぉぉやるしかねぇぇぇぇぇぇ!!


 ―――テスト一週間前


 今回の俺は一味違う。何がちがうって?

 いつもなら一週間前とか慌てて勉強するが、今回、一週間前でほとんどの教科はできると思う。後は、ひたすらワークやプリントなどの演習を積むだけ。

 ここで、俺は学年1位に少し酷いことをしてみることにした。


「葛城さん、数学のここわからないんだけど教えてくれないかな?」


 もちろん全て嘘だ。既にわかっていることを聞いた。

 学年1位は今どれだけむずい問題を理解できているか確認するためだ。観察するためだ。


「あーこの問題むずいよね。でもここをこうすると・・・ほら簡単にできるの」


 な、なにー俺が知らない別解だとぉぉぉぉーー

 俺の得意科目が……

 すごい何だこれ解きやすいぞぉぉぉぉ

 ここでカウンターかよ


「あ、ありがとうすごい、わかりやすかった。」


「また、いつでも聞いてよ」


 今の言葉すごい煽るように聞こえたんですけど、気のせいですよね。


 うおぉぉぉぉぉぉぉ。家に帰ってひたすら勉強。絶ッッッッ対勝つ!!


 ―――テスト(ランク戦)当日


「ついにこの日が来たか。」


「おいおいなんかお前燃えてないか?」


「それはそうでしょ、これは『戦争』だ!」


 まずは得意な数学からだ。

 俺はシャーペン(武器)取り出す。そして、そのシャーペン(武器)シャー芯(弾丸)入れる(リロード)する。

 俺は問題(モンスター)に取り組む。

 問題内容は大問1から大問5まである。

 大問1は簡単だ。単純計算の問題。

 そして、大問2、3、4も容易にできた。

 ただ、大問4の証明問題が不安だが、

 ついに、大問5(ラスボス)の登場だ。

 俺は、ここを乗り越えて行く。図が書いてある、放物線だ。や、やばいぞ二次関数だ。


 問題内容

 yがxの2乗に比例する関数のグラフ

 y=x2

 と直線ℓは2点A、Bで交わっている。

 2点A、BのX座標はそれぞれ-1、3である。

 △ABCの面積が△OABの面積の2倍となるとき、点Cのx座標を求めよ。

 ただし、点Cはx軸上の点とし、点CのX座標は正とする。


 うん、わからん。最悪だ、いや、諦めるな部分点がもらえるはずだ。

 焦るな俺、大丈夫だ。まずは冷静に問題をみ、


 キーンコーンカーンコーン


 テスト終了のチャイムだ。

「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁ」


「おい、数学どうだったよ」


「聞くな」


 次は国語、その次は英語、理科、社会。

 もうやる気が出ないな。


「乙葉ちゃーんテストどうだった?」


「最後の問題はむずかったなー」


 え、葛城さんがむずかしい?俺けっこういいとこまで行ったのでは?

 そう考えた途端やる気湧いてきた。


「次のステージだ。行くぞ!」


 ―――テスト返し当日


 私事田口兵馬のテスト結果は……

 数学92点

 国語75点

 英語89点

 理科96点

 社会65点

 合計点417/500

 学年第2位


 葛城乙葉のテスト結果は……

 数学100点

 国語86点

 英語90点

 理科73点

 社会75点

 合計点424/500

 学年第1位


「えーみんな今回は全体的にレベルが落ちてる。今まで一番悪かったんじゃないかー」

「高校の問題はもっと難しいぞー」

 と、先生が今回のテストの評価を語る。


 そして、放課後―――


 教室にまだ、葛城さんが残っていた。

 葛城さんは俺に近づいてきて言った。


「兵馬君、また、私の勝ちです。」


「そのようだな、おめでとう」


 なんか適当に返してしまった。


「それだけですか?もっと悔しがってください。」


「十分悔しいさ」


「そう、ですか?」


「お前、なんでそんな勉強できるんだ?」

「どんな勉強したらそんなにできるんだ?」


「私は兵馬君に認められたかったから。」 

「私は兵馬君が好きだから……」


「え?……」


 ちょっとまて不意すぎてわからなかった。

 い、今好きってちょ、え、まって


「今なんて?」


「何度も言わせないでください。」

「好きです。好き好き好き好き好き!!兵馬君が好き」


 そんな赤面して好きを連呼するなこっちまで恥ずかしくなってくる。


「兵馬君、私と付き合ってください!!」


 俺には断る理由はないというかすごい嬉しい!

 まじ、俺でいいの?


「お、俺で良ければ」


「やったーー」


 えー何この子めちゃくちゃ可愛いじゃん


「そういえば葛城さんどこの高校行くの?」


「私は○△高校です。」


「え、俺と一緒じゃん」


「また、テスト勝負する?」


「ああ、当たり前だ!」

「次は俺が勝つ、こう見えて負けず嫌いだ。」


「知ってますよ。ま、勝つのは私ですけどね。」


 次の勝負が楽しみになってきた。


「ちなみに数学の大問5の問題の答えは3/2だよ。」

数学大問5のテスト問題は、明訓高校の高校入試の過去問:改です。

問題を考えるのが難しくてネットからパクリました。


https://ouchimath.com/houbutu-heikouhojyo/


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― 新着の感想 ―
[良い点] 戦争要素は無いが、とにかく勢いで話が進むので、ノリと勢いの話と分からせてくれているので、後半の雑さもわりと大丈夫だった。 [気になる点] 数学部分だけに尺割いてる理由。 [一言] 最後の一…
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