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第4話 異世界名ってついてるのおかしくない?

※作者はアホです。「誰もやってない事」が大好きです。是非お付き合い頂いて、その結果(顛末)を見届けてくださいませ (≧▽≦)


SF空想科学 にて ベイビーアサルト 第一部を連載中。

そして ハイファンタジーにて 第二部 ベイビーアサルト・マギアス を同時進行。

本作はその第二部「マギアス」です。


第一部での伏線を第二部で回収、またはその逆、もある仕組みです。

両方合わせてお楽しみください。


※「マギアス」はハイファンタジー部門とSF空想科学部門で同時掲載しております。時期をみて「マギアス」のSF部門は削除する予定ですので、ハイファンタジーの方での「マギアス」でブックマーク、高評価をお願い致します!!







 朝になった。村人の厚意で住まわせてもらっている民家。お世辞にも広くはなく、ひと部屋に男女3人で寝ていた。暖斗にとって幸いなのは、同居する2人の女性が幼馴染みと同棲予定者なのだということ、だろうか。


「ぬっくんが固まってる! 姫さん!」


 この一日は麻妃の大声で始まった。ベッドには棒状の暖斗、それに巻きつくように眠る愛依――の姿をしたエイリア。暖斗が顔だけ起こす。


「う~ん。何かSF映画みたいな夢を見た気が。‥‥DMT(デアメーテル)って人型兵器に乗る初陣で。操縦席でうとうとしてたら麻妃に起こられて‥‥‥‥」


「それ記憶! 事実! アッチの世界の事を夢に置換すな!」


 麻妃は朝からテンションが高かった。


「エイリアさんに抱きつかれて緊張しすぎて一周したんだよ?」


 と、苦笑する暖斗だが、その通り、暖斗の傍らで眠るエイリアが暖斗の身体に左手を廻してしっかりとホールドしていた。


「‥‥‥‥あ~~。なんかこんなやり取りをぬっくんとした気がすんな‥‥‥‥と、それはそうとエイリア姫。ぬっくん解放してよ!?」


 う~~ん、と背伸びをしたエイリア。その仕草は愛依にそっくりだ。ふたりは思わず顔を見合わせた。


「さっきからもう起きてましたよ~。おふたりの会話もうっすらと。その、暖斗さんの夢、意識と記憶が「あっちの世界」と「こっちの世界」で【リンク】したんですよ~。だって同一人物ですもの」


 そう言いながらエイリアは身を起こし、ホールドが解かれた暖斗は肩をまわしながら起き上がった。


「きのう、赤ちゃんを抱いたまま寝ちゃったんです。あまりの可愛さに。暖斗さんはわたしが抱きついてたせいで寝返りも打てなかったんですね。ごめんなさい」


「まあ、寝ている間に元の姿に戻ったから不可抗力だよ。またもやお世話してもらって申し訳ない‥‥‥‥」


 そう言いながら頭を下げる暖斗に、横から麻妃が口を出した。


「そんなぬっくんに色々質問がある。けど取りあえず朝飯にしよ?」




*****




 朝食はパンと野菜サラダだ。基本そんなに凝った物は作らない、というか作れない。食事を進めながら、麻妃がエイリア姫に訊いた。


「ね。この世界に名前とかないの? 『異世界バイストン○○』とか」


 エイリアは笑って答える。


「ふふ。ありませんよ。逆に、麻妃さんの世界に、全人類共通の『この世界の名前』なんてありましたか? ないですよね。ふふ」


 そう言ってスープを一口。


「『世界』がひとつしかない認識では、『他の世界』と区別して呼び方を考えよう、なんて思いませんもの」


「そりゃそっか~。ん? エイリアさん達はその二つの世界を行き来してんでしょ? じゃ、区別してんじゃない?」


「そうです。この世界では『異世界人』も認知されているくらいですから。一応、こちらの世界を『イディア』、あちらを『エシス』と呼んだりはします。でも基本『こちら』、『あちら』ですね」


 暖斗も口を挟む。


「『エシス』かあ~。語感はいいんじゃないかな」


「いいよもう。『エシス』と『イディア』にしちゃおう。はい決定~。それで行く」


そう言いながら麻妃はパンパン、と手を叩いた。


「次、言語の問題」


「ふふ、どうされたんですか? 今日は質問ばかり」


 エイリアは楽しそうに笑っている。


「あ~~。転移して一ヶ月。あっという間だった。ウチの【ファイヤーボール】がやっとモノになって、安定してこうしてちゃんとゴハンが食べれそうになったから、質問する余裕ができたっていうか。大変だったじゃん」


「ふふ。そうでしたね」


「そうだったの?」


「こら~~! 【大魔力】の持ち主なのに訳ありで全力出せない姫さんと、全力出すと赤ん坊になる訳ありのツレ、ふたりを養うのがどんだけ大変だったか。ぬっくんは赤ちゃんだったから知らんのか。――いや、いい。愚痴るのはウチのキャラじゃない」


「ふふ。さすが麻妃さんです。ご質問は、なぜこの異世界で言葉が通じるのか、ですね。簡単です。あちらの世界――『エシス』からもたらされたから――です」


「え?」


 意外な回答に暖斗も麻妃も手を止める。


「この世界に来た『異世界人』が、絋国語を話す人が多かった。他の言語もあった様ですが、結局絋国語でまとまったみたいです。あと、こちら――『イディア』の文明文化は『エシス』の中世レベルです。わたしやゼノス王子みたいに諸事情であちらに転移して、『エシス』の技術や文物をこちらにもたらす事もあるので、一概には言えません。あくまで、中世くらい、ですね」




「‥‥‥‥何か今さらっとスゴイ事言ったような。怖い。この人」


 珍しく麻妃が女性らしい素振りで暖斗に身を寄せる。暖斗も身構えた。



「エイリアさん。‥‥‥‥その、ゼノス王子って?」




「わたしの婚約者です」


「‥‥‥‥ぶほっ」


「‥‥うんうん。わかるよ。そうなるよねえ、ぬっくん」


 エイリアは呑気に続ける。


「まあ、国もわたしもこんな状況ですので、お流れになりそうですけれど。愛依さんの艦外持込本、『ほら穴理論』はご存知ですよね? そのなかに、『女性は男性の体臭や唾液を分析して、自分に足りない遺伝子や免疫を探す。それを持っている異性に魅力を感じる』と、ありました」


「うん。愛依から聞いたことある。女性は『産む性』だから、より良い出産をしようとするシステムを備えてるのよ、って」


 そう暖斗が答えると、エイリアは少し躊躇う表情を見せた。


「暖斗さんは、桃山 詩女(うため)さんとの相性の件もご存知ですよね」


「ああ、聞いてるよ。ラポルトでイチバン相性がいいかと思ったら、近隣三県の中で、くらいの確率だってね」


「370万分の1だね」


 麻妃もふむふむ、と頷いている。


「その上で言います。あくまでラポルト流の相性データ上ですよ? わたしと、ほぼ同一人物である愛依さん、つまりわたし達とゼノス王子との相性は、75億分の1です」





「‥‥‥‥ぶほわあぁ!」


「がんばれ! ぬっくん!! 気を確かに持て!」


ここまで、この作品を読んでいただき、本当にありがとうございます!!


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