第3話 竜って触れる? 意外とキモいよ?
※作者はアホです。「誰もやってない事」が大好きです。是非お付き合い頂いて、その結果(顛末)を見届けてくださいませ (≧▽≦)
SF空想科学 にて ベイビーアサルト 第一部を連載中。
そして ハイファンタジーにて 第二部 ベイビーアサルト・マギアス を同時進行。
本作はその第二部「マギアス」です。
第一部での伏線を第二部で回収、またはその逆、もある仕組みです。
両方合わせてお楽しみください。
※ハイファンタジー部門とSF空想科学部門で同時掲載しております。時期をみてSF部門は削除する予定ですので、ハイファンタジーの方での「マギアス」でブックマーク、高評価をお願い致します!!
山道を黙々と歩く2人。所々に装甲を縫い付けた服、冒険者風だ。後ろの女性――深紅の衣服が良く似合っている――が、前を歩く女性に話しかける。
「春さん、ちょっと歩くの早いよお」
「いいえ。このペースで。『明日着く』と【感応】で伝えてしまったので」
と、先行く女性は淡々と言う。
「じゃ、その【感応】でもう一回、ゆっくり行くから遅れるって伝えたら‥‥‥‥?」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥無視? 無視した? 今」
慌てる後ろの女性に対して、あくまで前の人物は冷静だった。
「急ぎますよ?」
「うぐ‥‥‥‥つらたん。せっかくの異世界なんだから、空飛ぶ‥‥ほら、‥‥鳥の背中に、とか無いんですか?」
「ありますよ。竜ですけど」
「おお~。それです。それって飛竜ですよね? 知ってます。ファンタジー映画で見ましたもん」
手を叩いて盛り上がる後ろの女性に、前の人は歩みを止めて振り返った。
「でも、いいんですか? ゆめさん」
「へ?」
「竜って、もちろん飼いならしてますけど、ヘビやトカゲの大きいのっぽいですよ? 本当に。触れます?」
後ろの女性は閉口する。たしかに、大ヒット映画とかではよく出てくるが、実際に存在するとしたら、その外見や質感は、ガチのヘビやトカゲだろう。それを想像した彼女は、仕方なく、だがやはり正直にこう答える。
「‥‥‥‥ムリ」
先行く女性は「ほらね」という表情をつくる。そして辺りを見回した。
「そう、竜と言えば、このあたりの地域には伝承が」
「ええ? 伝承? 竜の? ‥‥‥‥それって何かコワイやつなんでしょ? どうせ」
「‥‥‥‥確か、容姿端麗な女性が、龍に見初められ、婚姻するために呪いをかけられて龍の姿になってしまう、そんな話です。ゆめさんは前の世界でモデルをやってたんですから、可能性がありますね?」
「‥‥冷静な顔して変なフラグ立てないでください。だいたい異世界の龍に見初められるって‥‥。この世界の美的感覚ってどうなんですかね? その龍の好みだってわかんないし。意外と春さんの方かも」
「「うふふふふ」」 ふたりは顔を見合わせ、にじり寄る。
「あら、私なんてあなたの足もとにも。『ノスティモみなと』の表紙モデルさん」
「なんでそんな知識あるんですか。龍さ~ん。その人の方がわたしなんかよりナイズバディですよ~」
にらみ合うふたりだったが、不毛な事にすぐ気づく。「そんなヒマがあったら、さっさと立ち去りましょう」と。
だが。
「やっぱりわたしいぃ~~!!??」
足もとに魔法陣が現れ、光に包まれたのは ゆめ、と呼ばれた後ろの女性だった。
*****
「実は見ている疑惑。大人に戻ったら、ウチの質問に答えてもらうから。いい? ぬっくん」
自宅の脱衣場で、暖斗赤ちゃんの体を拭きながら麻妃はそう言い、服を着せていく。
「しかし便利ではある。この【魔法の○○】シリーズは。ぬっくんが赤ちゃん状態でも下のお世話とか諸々しなくていいし」
「そうです」
服を着終わったエイリアが振り返る。
「その赤ちゃんアバターは暖斗さんが魔法力を取り戻すための云わば『充電モード』。ほ乳瓶で生成される透明のミルクを飲んで、寝ていればいいんです」
エイリアのその言葉に「ふむ」と頷いた麻妃だが、すぐに疑問がわいた。
「んん? 待って!? その理屈だとお風呂も入れなくていいんじゃない?」
「いいえ。この赤ちゃんは、愛情をもってお世話をした方が回復が早いんです。前の世界でもそういう事例があったでしょう?」
そういうと、エイリア姫は意味深な笑みを浮かべた。
「う、そっか。『MK後遺症候群の早期治癒』か」
「ええ。愛依さんと一心同体だったわたしは、それを誰よりも深く知っています。
『マジカルカレント』と、『マジカルリゲイン』、
『あちらの世界』と『こちらの世界』
は緩やかに【リンク】しているのです」
麻妃は両腕を曲げて肩をすくめた。
「‥‥まあ、‥‥異世界転生を実体験中の身としては、信じるしかないわな。姫さんがアッチの世界にいたって話も今のところ矛盾点が無いし」
エイリア姫は腰を落とし、ゆっくりとお辞儀をした。高貴な所作だ。
「わかって頂いて助かります。麻妃さん」
麻妃は、その一連の動作を見ながら。
「まあ、もう一ヶ月経つからね。今まであんまり聞けなかったけど、おいおいその辺のハナシも教えてよ。ね、姫さん」
そう言いながら麻妃はキッチンへ歩き出した。
「ぬっくん連れてきて。もうメシにしようぜ」
「はい」
姫は赤ちゃんを抱きかかえると、食堂へと足を向けた。
が、赤ん坊と目が合うと、再び「むちゅ~」とキスをする。
「今夜は一緒に寝まちょうね~~。べびたん」
※エイリア姫ってけっこう大胆やな、と思ったそこのアナタ!!
ここまで、この作品を読んでいただき、本当にありがとうございます!!
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