第9話 ド正論って時に刃物だよね?
※作者はアホです。「誰もやってない事」が大好きです。思いついたら実証したくて止まりません。是非お付き合い頂いて、その暴走の顛末を見届けてくださいませ (≧▽≦)
SF空想科学 にて ベイビーアサルト 第一部を連載中。
そして ハイファンタジー(転生/転移)にて 第二部 ベイビーアサルト・マギアス を同時進行。
第一部での伏線を第二部で回収、またはその逆、もある仕組みです。
両方合わせてお楽しみください。
結局、冷静になってから、お互い詫びる事で落ち着いた。そもそもこんな事で小競り合いをしている場合ではないのだから。そういえばまきっちが言っていた。仲谷さんは余計な事は喋らないタイプだけど、譲れない事に関しては無双して、あの子恋艦長も瞬殺した事がある、熱い漢だ、って。
それからは、お互い紅茶を飲み終わるまで、ガールズトークで盛り上がった。一瞬険悪になった関係をあらためて再構築するする意味もかねて。仲谷さんもラポルトに乗っていた時は、任務とこちらの世界に残した双子の妹の事でけっこういっぱいいっぱいだった事。恋愛に興味がないワケではなく、魔王の脅威や姫様の件が落ち着いたらちゃんといい人と出逢いたい事など、色々話してくれた。
ただ、1つ彼女に釘を刺された。
「先ほどの件、売り言葉に買い言葉、だとは思いますが、『私をエサにすれば殿方を』と言っていましたね。あなたは異性の目にどんな風に自分が映っているか把握した上で、自分を犠牲にするような戦術を採る傾向にありあす。ご自分の価値を認識しつつ、あたかもご自分がまるで無価値なように振る舞う。非常にアンバランスで危ういです」
その通り。痛い所を突かれた。
「そうですね。おっしゃる通りです。男性が私に向けてくる視線を『気づいてない』フリをするほどあざとく生きたくはないですね。でも、本心からも思うんです。『私って生きる価値のある人間なのかな』って」
「それは、やはり彼、『咲見暖斗』君との関係性が原因では? ラポルトで再会する機会を奪った身で恐縮ですが、あなたがちゃんと彼と会おうとすれば、いつでも会えるはず、ですよね?」
私は、息を大きく吸って ふうっ っと吐いた。
「‥‥‥‥そうなんですよ。その通りです。私に意気地がないから、どんどん先延ばしになって、どんどんさらに会うのが気まずくなってしまって。‥‥元々はぬっくんと交わしたある約束と、ある事件がキッカケなんですけど」
「もう、いいのではないですか? 私は咲見暖斗さんとはラポルトでしか知りませんが、その人間性は知っているつもりです。彼があなたに冷たくするとは思えない。きっと逢いたいと思っています」
そう、口にしてから、仲谷さんは付け加えた。
「逢初さんやコーラさんを気にするなら、それはもうしょうがない事です。『気にするな』と言う方が無理ですから。でも、人は生きている以上誰かと出逢って生きていくものです。そして、この年頃の女の子は日々変わっていくものです。私はあなたの貴重な13、14才のその生命の息吹、その1日1日の若さの輝きを、彼が知りえない方が彼もあなたも不幸であると考えますが」
「うん」と思わず頷いた。そうか、これが「ド正論無双モード」の仲谷さんか。
*****
そして咲見ゆめは、思案の末、咲見ゆめの結論に至る。
「仲谷さん、『テオブロマ』は私の大切な言葉ですけど、私のこの世界の『芸名』としては不似合いだと思いませんか?」
「『芸名』、ですか」仲谷は苦笑する。そして彼女の顔を見返した。
仲谷から見た咲見ゆめの目には、新たに宿る光があった。
「こちらの世界って、絋国語が普通に通じるみたいに、絋国語的な人名もOKなんですよね?」
「そうです。私がそうですし。エイリア姫みたいに、あなた達にとっての外来語の人名の方が圧倒的に多いですが」
そう仲谷が答えると、それを聞いた咲見ゆめは考え込む。
「私も、あっちの世界にいた仲谷さんみたいに、必死にならないといけないんじゃないかな。手段を選ばず、という程、手段がある訳ではないんですけど。こっちの世界に来てしまったからには、みんなで力を合わせないといけないんですよね? ラポルトのみんなとも。仲谷さん達地元のみなさんとも。‥‥‥‥だから、私は彼に‥‥‥‥」
そう言いながら、ガタン、と椅子を鳴らして席を立つ。
そして。
「ごめんなさい。やっぱり私、冒険者登録は本名にします。本名『姫の沢ゆめ』に」
「異世界名『咲見ゆめ』、あちらの世界での芸名『咲見ひめ』、冒険者名『テオ=ブロマ』、でしたが、改め! 冒険者『姫の沢ゆめ』」
そう言い放った。
「もしかして」
と、仲谷は断りを入れる。
「咲見‥‥‥‥失礼。姫の沢ゆめさんでしたね。ゆめさんは、彼に逢う決心が‥‥‥‥ついたんですね?」
姫の沢ゆめは、返事をするかわりに子供の様に微笑んでみせた。
人物紹介
暖斗と麻妃の幼馴染み、改め → 姫の沢ゆめ
暖斗、麻妃とは小屋敷小学校時の幼馴染み「小屋敷小トリオ」。みなと第二中学校2年生。
「テオブロマ」、まさかの板チョコ1枚(しかも貰い物の貰い物)で暖斗に淡い感情を持つようになる、言わば究極にチョロいヒロイン。芸名などいくつかの名前がある。
が、とある約束ととある事件をキッカケに、暖斗に逢うのが怖くなってしまっていた。
麻妃とは今でも大親友。小学校時代に暖斗に「ぬっくん」とあだ名を付けたのは彼女。
その際、暖斗からも「ひめちゃん」と呼ばれる様になるが、「ぬっくんがそう呼んでくれるなら、もう戸籍名を「姫の沢ひめ」にしたい」と言い出し、両親に止められて泣く泣く断念している。芸名「咲見」の名字使用は正式に梅園家からの許可をもらっているようだ。
モデルの様な容姿で、実際モデルをしている。
取得資格 準看護師 準保育士 準歯科衛生士
すぐ病む極上のドM。第2部「マギアス」の主人公、にして、後の「○○聖女」。
※ この時間帯でどのくらいPV付くでしょうか?
ここまで、この作品を読んでいただき、本当にありがとうございます!!
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