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<第五十話>連絡先

 「ただいま。」


 私が部屋に入ると、玄関先まで遥が駆け寄ってきた。


 「おっかえりなさーい、お姉ちゃん。」

 満面の笑顔である。


 「ちょっとその顔、何だか怖いよ。」

 私は、笑いながら遥に言った。


 「お姉ちゃん、報告。お店での結果を報告して。ちゃんとして。」

 遥がせかすように言う。


 「何なの、この子はもう。はい、これお土産。東山さんからだよ。」

 私は、紙袋のコーヒーを遥に手渡した。


 「うわぁ、ありがとう。すごいね、東山さん優しい。」

 遥が感心したように言った。


 「さっきは急に先に帰っちゃうし、ビックリしたんだからね。」

 私はわざとため息をついて言った。


 「えっ!気を遣って先に帰ってあげた心優しい妹に、ため息なんてついたら、バチが当たるんだからね!」

 遥が大げさに言った。


 「ありがとうございます…って、やっぱりそうだったのね。

もう、変な気を遣わないでよ。急に二人にされたら緊張するに決まっているでしょ。」


 「お姉ちゃん、緊張しちゃったの?えっ、ちゃんとお話ししてきたんだよね?」

 遥が心配そうに聞いてきた。


 「うん、お話してきたよ。

 それにね、次に会う約束も出来たの。」

 私は少し照れながら報告した。


 「えーーーっ!やったぁ。お姉ちゃんすごいね、頑張ったぁ。」

 遥がはしゃいでいる。


 「頑張ったって言うのかな?

 あのね、自然に美術館に一緒に行こうって話になったの。」


 「お姉ちゃんやるぅ。それじゃあ、連絡先も交換したんだよね、良かった。」


 「えっ!?ううん、交換していないよ。」

 私が少し驚いて言った。


 「何で交換していないの?じゃあ、東山さんにこっちから連絡出来ないの?」


 「東山さんも出来ないんじゃないかな?私何も教えていないもの。」


 「もー、そんな事聞いたら分かるよ。どうして交換しなかったの、困るじゃないって言っているの。お姉ちゃん、ちゃんとしなきゃ駄目でしょ。」

 遥が少し怒り気味に言ってきた。


 「ごめんなさい。

 …でもね、今遥に言われるまで気が付かなかったの。」

 私は遥の話を聞いて、その通りだと思い、少ししょんぼりしてきてしまった。


 「あー、ごめん。言い過ぎた。

 そうだね、お姉ちゃんらしいよ、うん。


 まぁ、待ち合わせの約束もちゃんと出来たんだし、きっと大丈夫でしょう。ごめんね。」

 遥が申し訳なさそうに言ってきた。



明けましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。


紗織

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