<第四十一話>明の説明
「…お前の部屋に泊まった時、コインロッカーに荷物を入れてきた事をいちいち言わなかっただけだよ。」
「明が平日に泊まるのは、今日が初めてだよね。
それに会社の前日ってことは、日曜に泊まるって事だよね。でも、そもそも日曜日は、次の日が会社だからって、会っても家に早い時間に帰るよね。」
「…それは…、お前が疲れていて、日曜は少しゆっくりしたいって言うから早く帰されていたんだ。」
「そうだよね。私が平日の仕事の疲れが残っているって我儘を言っていたんだよね。
それにさっきは、社会人になってからって言っていたから、随分前からトイレで着替えていたのかな?って思ったんだけれど、私の部屋のお泊りの話だったんだね。」
「…そうだよ!大学時代のサークル仲間の部屋に泊まった時もだよ。たまには積もる話をしようってな。
細かいことをいちいち聞いてくるなよ。本当にしつこいな。もういいだろ。」
明が玄関先から、部屋の奥の方に移動して行ってしまった。
(これで話が終わりなんだ。明はこれでもういいんだ…。
私が今の話で納得したって考えたの?
…違うよね。そんな事が明の話の判断基準じゃないってことだよね。)
とりあえず私も部屋に上がり、部屋着に着替えてから明の近くに座った。
「今日は疲れたな。さっさと風呂に入って寝よう。」
明が言ってきた。
「明、話はまだ終わってないと思うのだけれど…。
私さっきの説明では、何も納得出来ていないよ。」
私は話を続けようとした。
「いい加減にしろよ。何なんだよ今日は。
わざわざ平日に、こっちは部屋まで泊まりに来ているんだぞ。
つまり、お前の為にこうやって会いに来てやっているんだぞ。」
明がつっけんどんに言ってきた。
「私の為なの?」
「そうだよ。お前が忙しくてなかなか会えない所を、彼氏が気を遣って平日にわざわざ泊まりに来てやっているんだろ。
なんだよ、違うって言うのか?もういいだろ。早く寝ようぜ。」
明が席を立とうとした。
「…私の為に来てくれたって言うのなら、私は、…まだちゃんと話がしたいな。」
私は、立ち上がろうとしている明に、もう一度座るように促した。




