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第八話
為景と虎御前の出会いは、数奇なものだった。為景の父能景が越中般若野で一向宗相手に戦死した時のこと。
一向宗とは、浄土真宗本願寺教団が発した「当流の安心は弥陀如来の本願にすがり一心に極楽往生を信ずることにある」という教義に従い、集結した農民が強固な信仰組織を形成したものである。
一向宗は加賀守護富樫政親を滅ぼしたことでその存在を世に知らしめた。
一向宗は各地で武士に対抗し、戦を繰り返していた。
一揆は全国に拡大し、武家政権の基盤を脅かした。領地安寧の為、武士団はやっきになって一向宗撃退に乗り出していた。




