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第七十七話
「おかしいなぁ。血は全部止まってたのに」
虎千代は眉根を寄せて首を捻った。
「これは、違う血だから大丈夫だ。ずっ」
鼻血を啜りながら段蔵は虎千代に背を向けた。
「違う血?」
虎千代は目玉を上向かせて頭上に?を浮かべた。
― 血が全部止まってた?―
段蔵が小袖の中を見やると、全身に受けたはずの傷が綺麗に癒えていた。
「俺は何日寝ていたんだ?」
段蔵は急ぎ口調で虎千代に尋ねると虎千代は首を傾げて
「そうだな~。二刻ほどかなぁ」
「二刻?」
段蔵は走って洞窟を出ると空を仰ぎ見た。
日はまだ高く、戦闘を終えてから幾時も経っていないことが理解できた。




