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第七十六話
「段蔵さん。危なかったんだから、感謝してよね。僕が裸で段蔵さんの体暖めなかったら、段蔵さん確実に死んでたね」
虎千代は腕を組んでコクリコクリと首を縦に振りながら言った。
「……裸で」
段蔵の鼻腔から一筋の血が滴り、段蔵は片膝を地面に打ち付けた。
「どうしたの段蔵さん?大丈夫!」
虎千代は心配声を上げて近づこうとした。
段蔵は片方の拳を鼻にあてがったまま、もう片方の手を突き出して虎千代を制止させた。
「大丈夫だ。ちょっと、くらっとしただけだ」
段蔵は低い声で虎千代に言って、立ち上がった。




