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第七十一話
昂ぶる気を押さえられない虎千代が、段蔵の腕の中で手をほどこうともがく。
「うあああああ」
虎千代は段蔵の腕をとり、怪力で捻り上げた。
― 完全に我を忘れてやがる。それにしても、この華奢な体のどこにそんな力
が
段蔵が奥歯をかみ締める。みしみしと音を立てて、段蔵の骨が悲鳴を上げる。
「クソ!」
段蔵は宙返り、腕のひねりを戻して虎千代のみぞおちを思いっきり蹴り上げた。
虎千代はふっと意識を失ってその場に倒れ込んだ。
骨が突出し満身創痍の虚無僧たちは足を引きずるようにして、段蔵と虎千代から離れていった。




