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第六話 鬼女誕生
寅年寅の日寅の刻。
人間道に一人の女の子が生れ落ちた。
元気に泣く我が子に目を細めて、微笑む母の虎御前。
女の子は虎千代と命名された。
父は勇猛さでその名を轟かせる武人、長尾為景。長尾家では代々女の子が生まれると「虎」の字を冠する習わしとなっている。
父為景は、産着に包まれた虎千代を抱くと、ふんと鼻を鳴らして、乳呑児を虎御前に投げつけた。
虎御前は生まれたばかりの我が子を落としてはなるまいと、慌てて抱きかかえ、申し訳なさそうにその場にしゃがみ込んだ。
寅年寅の日寅の刻。
人間道に一人の女の子が生れ落ちた。
元気に泣く我が子に目を細めて、微笑む母の虎御前。
女の子は虎千代と命名された。
父は勇猛さでその名を轟かせる武人、長尾為景。長尾家では代々女の子が生まれると「虎」の字を冠する習わしとなっている。
父為景は、産着に包まれた虎千代を抱くと、ふんと鼻を鳴らして、乳呑児を虎御前に投げつけた。
虎御前は生まれたばかりの我が子を落としてはなるまいと、慌てて抱きかかえ、申し訳なさそうにその場にしゃがみ込んだ。