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第五十七話
小川で血を洗い流し、着替えてから目的の祠を目指すこととした。
「段蔵さーーん。もっと、こっちで一緒に水浴びしよーうよ!!」
虎千代が十間近く距離を取って水を浴びる段蔵に声をかけた。
谷を囲む岩棚に
「しよーうよー」
の声が跳ね、反響している。
段蔵は叫ぶ虎千代に両手を大きく交差させて断った。
陽が翳り始め段蔵が足を止めた。
「今日はこの辺りで野宿だな。明日には祠に着けるだろう」
そう言って、山道を外れ川縁に降りて行った。段蔵は川べりにあった巨石を見つけると下に潜った。




