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第四十八話
段蔵の言葉を聞いて虎千代が素っ頓狂な声を上げた。
「え~っ!どうして?僕男だよ?」
段蔵は腕だけ背中に回して、人差し指を湯の中に向けた。
「何?」
虎千代が首を傾げると
「無いではないか」
段蔵が上ずった声で言うと、虎千代は「何が?」と、眉根を寄せて湯の中を見る。
「だから、その。あれだ。なにが……その」
段蔵が歯切れの悪い口調で呟く。
「あっ!」虎千代は何かに気付いた様な声を上げて「これ?」と湯から立ち上がって股間を指差した。
段蔵はそうだという風にコクリと頷いた。




