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第四十四話
風呂は裸になる。武器を携えて入る訳にはいかず、敵に襲われれば、ひとたまりもない。段蔵は、渋い顔をして「俺はいい。お前だけいってこい」と言った。
「え~。一緒に行こうよ~。段蔵さん僕の護衛でしょ」
段蔵の腕を振って、駄々をこねる虎千代。
それも一理ある。段蔵が眉間に皺を寄せて「う~ん」と唸った。
決めかねている、段蔵に虎千代は、「来なさい」と両脇に手を置いて、仁王立つ。
「段蔵さんと温泉行たいのぉ」
屈託のない虎千代の言葉に段蔵は「そうだな」と苦笑して答え、重い腰を上げた。




