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戦国鬼  作者: 騎士理 徹 (きしり とおる)
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第二十九話

「何とかしなければ」


光育は虎御前を寺に呼び寄せ、陰日向なく現状を伝えた。


虎御前は当惑し目を泳がせた。


「どうすれば」


「虎千代殿の力を封じ込める何かが必要です。玉や勾玉程度のものでは虎千代殿の力は封じ切れません」

光育はそこまで言うと大きなため息をついた。


「そこで。毒を持って毒を制す。虎千代殿の力を魔力で封じ込めるしか手立てが御座いません。飛騨山中の洞窟に呪術でその力を封じ込められた鬼斬り丸という妖刀が御座います。鬼斬り丸ならば虎千代殿の力を封じ込めることが出来るでしょう」


 光育は静かに閉眼して気持ちを落ち着け、躊躇う言葉に勢いをつけるようにかっと目を見開いて、話を続けた。


 「鬼斬り丸はただの刀ではございません。鬼斬り丸は血を好み、人を惑わす妖刀。一説ではかの、源の義経が瀬戸内海で沈めし、天朝様の秘刀。草なぎの剣とも噂されし妖刀。鬼斬り丸の霊力に打ち勝つことが出来なければ、その力に取り込まれ、手にした者は死に至る」


 どろりと粘着した唾液が喉に絡み、虎御前は小坊主に出された茶を口に含ませる。


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