28/388
第二十八話 鬼斬り丸
その他に虎千代には光育から特別修行が課せられた。
その修業は峻烈を極めていた。滝行、火行、断食、万経書写行。
兄僧達からは、幼い虎千代にそこまでと光育に意見するものさえ現れるほどだった。虎千代の体を心配する兄僧達を「まぁ、まぁ」と明るく笑顔で制し、虎千代は光育の出す課題を淡々とこなしていった。
年月が経ち、虎千代の神通力を制御してきた光育の法力が陰りを見せ始めた。虎千代は一四歳に成長していた。
「この五年、我が法力で何とか制してきたが、もはやこれまでか」
光育は己の両手を見つめて、不甲斐なさに溜息をつくと共に日毎に増大し続ける虎千代の魔力の大きさに恐怖した。




