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第二十七話
為景は虎千代の話を光育から聞かされ病に伏した。病は常軌を逸していた。
為景は夜な夜な城内で獣のような咆哮を上げ、理由もなく下女を手打ちにした。
戦では鬼神の如き為景あったが、領内では善良な領主で通っていた為景の面影が薄らいでいった。
重臣たちに勧められ、為景は隠居し、長兄の晴景が跡目を継いだ。
虎千代は長く綺麗な黒髪を落とし、林泉寺の門をくぐった。
虎千代の荒れ狂う強大な神通力は光育の法力で抑え込まれた。また、光育の法力は虎千代の悪しき記憶の一切を封じた。
虎千代の身分は隠され、掃除、洗濯、読経等々他の修行僧と同様の生活を送ることとなった。




