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第二十話
数日後、虎御前は買い物から帰ってきた下女から驚愕のこと件を耳にした。
一昨日、一向宗の門徒で溢れる山寺に少女が迷い込んできた。
少女は本殿に入ると僧兵姿の坊主達を睨みつけた。
何も話さない少女に僧兵の一人が顔を近づけた次の瞬間、僧兵の頭が破裂したと言うのだ。
少女は他の坊主達を睨みつけ手を翳した。
風もない堂内で少女の髪は逆立ち、手先が黄金に輝いたかと思った瞬間、坊主たちの内臓が腹の皮を破って噴出した。
門徒たちは蜘蛛の子を散らすように逃げた。
近くの村々では、夜叉の到来だと噂が広がっていると下女が虎御前に伝えた。
虎御前は初夏だというのに背筋に冷たいものを感じていた。




