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第十六話
為景は変死こと件の黒幕が虎御前ではないかと言う噂に悩まされていた。
黒い噂が絶えない、穣御前と共謀して、側室たちを次々と変死させているのではないか、と言うものだった。
死体はこぞって、脳漿や臓腑が破裂し人の形骸を残さない無残なものだった。
新種の毒かとも推測された。さもなければ、物の怪の仕業としか思えない死にようだった。為景は悩んだ挙句、虎御前と穣御前を山深い庵に幽閉した。
穣御前の荒れようたるや、常軌を逸していた。
不本意な処遇に最後まで抵抗し、末には城を出そうとした家臣に対して、懐刀を抜いたほどだった。




