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第百五十七話
越後守護上杉定実は、殊の外景虎を可愛がった。
お気に入りの景虎の頼みとあれば、造作も無いことだった。
「景虎よ、こっちこい。気に致すな、もそっと、こっちに」
定実は越後守護と言う地位にありながらも戦国大名の風格なく、流々と続く家柄に胡坐をかいた優男だった。
齢五十は悠に過ぎていると言うのに、つるりとした色白で、頬を赤く染めた血色のいい顔をしていた。
定実が女だけでなく、衆道にも手を出すほどの好色ぶりは、越後では有名な話だった。
越後守護上杉定実は、殊の外景虎を可愛がった。
お気に入りの景虎の頼みとあれば、造作も無いことだった。
「景虎よ、こっちこい。気に致すな、もそっと、こっちに」
定実は越後守護と言う地位にありながらも戦国大名の風格なく、流々と続く家柄に胡坐をかいた優男だった。
齢五十は悠に過ぎていると言うのに、つるりとした色白で、頬を赤く染めた血色のいい顔をしていた。
定実が女だけでなく、衆道にも手を出すほどの好色ぶりは、越後では有名な話だった。