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第百五十五話
「晴景は武田と手を結び、上杉定実様を討ち、越後を我が物にせんと画策しておったのじゃ」
「……まさか」
秀忠の言葉に景虎は目を大きくさせた。
「そのまさかじゃ。為景様が守り抜いてきた、南越後と村上の領地を武田に引き渡すという条件でな!」
秀忠は苦々しい表情を浮かべ、拳を地面に打ち付けた。
「村上とは長年同盟を結んできたではないか」
景虎は分からないという風に首を振った。
「その長尾に後方から攻められれば、幾ら戦上手の義清とは言え、成す術なかろう」
「それでも、景康、景房兄様は関係」
秀忠の話に言葉を失っていた景虎が、声を張ってそこまで言ったところで、
「関係あるのだ!」
秀忠が割って入った。




