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戦国鬼  作者: 騎士理 徹 (きしり とおる)
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第百四十三話

「景保、景房同様ぶち殺してやるわ!」


「は!」


家臣は急いで、秀忠の前から立ち去った。


早馬を飛ばしてきた秀忠の家臣は、廊下を駆け、辺りを見渡して人影がないことを確認すると、裏庭に降り立ち床下に潜った。


甲冑姿から黒装束に着替えた段蔵が、床下から現われた。


「これでよし」


段蔵は得意気に両手の土を払った。


跳躍し二間以上ある城壁を乗り越えて黒滝城を後にした。


「……為景様」


秀忠は暗く沈んだ目を足元に落として独り語ち、少しの間を置いた後、深く長い溜息を吐き、迷いを断ち切るように大きく頭を左右に振って、凛と顔を上げた。固く口を結び、目を吊り上げて秀忠は甲冑の重く鈍い音を掻き鳴らした。


「打って出る!城門を開けぇぇぇぇぇい!」




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