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第百三十五話
てんでに逃げ回る敵兵を長尾の家臣たちが、背後から狩っていった。
景虎の一騎駆けにより自軍の損害殆どなく、数では圧倒的に不利だった豪族連合に完勝し、景虎は華々しく初陣を飾った。
「陽北衆のやつら、十四、五のガキ相手に何やってんだ!」
寝床で豪族連合の敗北を聞かされた黒田秀忠は枕木を蹴り上げて、怒りを露わにした。
栃尾城周囲の豪族である陽北衆や国人に反乱を嗾けていた秀忠は、目論見が外れ苛立っていた。
秀忠は、越後守護代だった景虎の父、長尾為景の信頼厚い家臣の一人だった。




