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第百三十一話
「危機的状況だな」
段蔵は体を揺らされながら顔だけは平然として言った。
「だな。じゃないよ!どうしてそんなに普通なのさ。やばい、ヤバいって、全滅しちゃうよ、ぜってー!」
景虎の段蔵を揺らす手に力が籠る。
「全滅しちゃうかもな」
段蔵は変わらず平然と答えた。
「かもな。じゃないよ!軽い!軽いよ、段蔵さん!兄ちゃん達に伝令出そうか、伝令?!春日山からじゃ間に合わないか~」
「すまんが手を放して貰えないだろうか?少し吐き気を催してきた」
段蔵がうっと喉を鳴らして、景虎に訴えた。
「あっ!ゴメン!」
景虎はいつの間にか力一杯掴んでいた段蔵の小袖から両手を放した。




