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第百三十話
「うむ」
景虎は威厳を漂わせて頷き、かっと目を見開いた。景虎はがばと布団を剥いで素早く正座し、段蔵と向い合った。
「段蔵さん、ど~うしよう。戦かな?」
景虎は目尻を下げ、情けない表情を浮かべて段蔵の黒装束の裾を掴んだ。
「おそらく。その数、八千。後一刻ほどで栃尾城は敵に包囲されるでしょう」
段蔵は落ち着いた様子で景虎に告げた。
「はっっせん!どーーーうすんの?うちは千ちょっと、ぐらいしかいないんだよ~」
景虎は掴んだ小袖を大きく引っ張って段蔵を揺さぶった。
段蔵の体は、右へ左へとされるがままに大きく舟を漕いだ。




